数学検定3級に福井県の小学2年生が合格、中3レベル 4歳ごろから車のナンバーで素因数分解

中学3年生レベルの数学検定3級に合格した大森陽生君=5月16日、福井県鯖江市内

 福井県鯖江市の小学2年大森陽生君(8)が、公益財団法人「日本数学検定協会」(東京)の実用数学技能検定で、中学3年レベルの3級に合格した。正確な記録が残る2011年以降で、小学5年(10歳)だった3級合格の県内最年少記録を塗り替えた。

 3級は、1次検定(50分)と2次検定(60分)を同じ日に行い、2次方程式や三平方の定理、2次関数などが計50問出題される。大森君は4月に受検し、正答率が1次70%程度、2次60%程度の合格基準を上回った。日本数学検定協会の広報担当者は「(小2で)受検すること自体すごい。チャレンジ精神もあり、どんどん上を目指してもらえれば」と話す。

 大森君は3歳のころから、0~9の数字や計算記号の形をしたスポンジを浴室の壁に貼り付け、式を作って計算し始めたという。4~5歳のころには、車のナンバープレートを見て「1240=2の3乗×5×31」のように素因数分解をして遊び始めた。父の治幸さん(37)は「勉強というより、遊びの中で学びを深めていった感じ」と振り返る。

 これまで塾には通わず、自分で好きな本を読んで数学や科学の知識を蓄えてきた。登校前や帰宅後に数学の問題集を解く10分前後の「マスタイム」と呼ぶ時間を設け、毎日少しずつ解いている。「解き方はたくさんあっても答えはちゃんと一つになる。奥が深いし楽しい」と数学の面白さを語る。

⇒大森君 小学1年でJAXAの宇宙飛行士募集に挑戦

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士募集にも“挑戦”した大森君の夢は「宇宙飛行士か、天文学者か、数学者」。数学検定での次の目標は高校1年レベルの準2級合格で、10月に受検予定。既に高校レベルの参考書を読み始めており、「好きな分野は三角関数の微分積分。ロケットの軌道の予測など科学で必須です」。数学を使って人の生活に貢献したい、という目標に向かってまっしぐらだ。

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