ルクレールが驚速ラップで今季4度目のポール。フェルスタッペンは最終盤にトラブルも2番手【予選レポート/F1第6戦】

 2022年F1第6戦スペインGPの予選が行われ、フェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得した。2番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手はカルロス・サインツ(フェラーリ)となっている。アルファタウリの角田裕毅は13番手だった。

 今週末のスペインGPは、ここまで3回のフリー走行すべてでフェラーリのルクレールが最速タイムを叩き出した。さらにそれ以上の衝撃が、メルセデスの復調だった。初日はフェラーリに次ぐ速さを見せ、2日目のFP3でもジョージ・ラッセル、ルイス・ハミルトンが3、4番手につけた。

 改良フロアなどの投入で、ポーパシング(激しい縦揺れ)症状は劇的に改善されている。もし予選、そして明日のレースでもフェラーリ、レッドブルと互角に戦えるようなら、メルセデスの復活は本物だと言えるだろう。

 今年のスペインGPは、例年よりかなり暑い。2日目も青空が広がり、予選の始まる午後4時の時点で、気温34度、路面温度47度という高温コンディションだ。トラブルに見舞われてFP3をほとんど走れなかったピエール・ガスリー、15番手に終わった角田裕毅のアルファタウリ2台、アルファロメオの周冠宇の3台が、まずコースに出て行った。角田はターン12のトラックリミットを超えてタイム抹消。ガスリーも周より1秒近く遅い。

 上位勢はまずフェルスタッペン、セルジオ・ペレス(レッドブル)が1-2タイム。しかしすぐにサインツ、直後にルクレールが最速タイムを更新する。そしてラッセルが4番手、ハミルトンが0.034秒差で5番手につけた。ペレスはターン7で飛び出すなどして、7番手に後退している。

 このセッションも、トップタイムは1分19秒861のルクレール。4番手までの順位は変わらず、2セット目のアタックでケビン・マグヌッセン(ハース)が5番手まで順位を上げた。アルファタウリの2台は3セットのソフト新品を費やし、角田12番手、ガスリー13番手でかろうじてQ2に進んだ。

 Q1落ちはセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)、地元スペイン出身のフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)、そしてアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)だった。アストンマーティンはレッドブル風の大幅アップデートが、不発に終わった形だ。

 Q2では、メルセデスがさらに速さを増した。ラッセルが1分19秒470でトップ。コンマ3秒落ちでハミルトン。この2台を、フェラーリもレッドブルも切り崩すことができない。ただし4番手ルクレール、6番手フェルスタッペン、そして7番手サインツは、いずれも中古ソフトだ。

 メルセデス2台とルクレールを除く12台が、2セット目のアタックに出て行った。フェルスタッペンが1分19秒219でトップに。2番手サインツ、3、4番手がラッセル、ハミルトン。マグヌッセンが5番手の速さを見せ、6番手ペレス。ルクレールは中古での1回アタックのみで、7番手だった。ミック・シューマッハー(ハース)は10番手で、無傷でQ3を走るのはキャリア初だ。Q2落ちはランド・ノリス(マクラーレン)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、角田、ガスリー、周だった。

 淡々と進んできた予選だったが、Q3最初のアタックは波乱の展開となった。ポールシッター大本命のルクレールが最終コーナーひとつ手前でスピン、ノータイムに終わった。一方フェルスタッペンは、あわや1分18秒台に突入しようというスーパーラップで1分19秒073を叩き出し、暫定ポールにつけた。2番手サインツ、3番手ペレス、4、5番手にラッセル、ハミルトン。ハミルトンはどうしてもラッセルの前に出られない。

 最終アタックは、ルクレールが真っ先に出て行った。サインツ、ハミルトンが続く。そしてルクレールがフェルスタッペンの暫定ポールタイムをコンマ3秒以上しのぐ1分18秒750でトップに立った。直後にフェルスタッペンから、「パワーがない!」という無線が。これでルクレールは今季6戦中4回目のポールを獲得。フェルスタッペンもなんとか2番手を確定して、被害を最小限に抑えた。

 3番手サインツ、そしてラッセルが4番手に食い込んだ。5番手ペレス、6番手ハミルトン、7番手ボッタス、8番手マグヌッセン、9番手ダニエル・リカルド(マクラーレン)、10番手シューマッハーだった。

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