「いのりの日」前に地元住民ら清掃 普賢岳大火砕流31年

定点周辺を清掃する参加者。後方は平成新山=島原市北上木場町

 消防団員や報道関係者ら43人が犠牲となった雲仙・普賢岳噴火災害の大火砕流から31年になる6月3日の「いのりの日」を前に、地元住民らが21日、消防団員の詰め所だった島原市北上木場町の北上木場農業研修所跡周辺を清掃した。
 一帯は大火砕流に襲われた水無川流域に位置。雲仙岳災害記念碑や報道陣が撮影ポイントにしていた「定点」、取材車両などの被災遺構がある。砂防指定地内で立ち入りは制限されており、いのりの日などに開放され、遺族や関係者が追悼に訪れている。
 清掃は地元の安中地区の住民や市の関係者ら約100人が参加。定点周辺や被災現場に通じる当時の生活道路「柿の木坂」などで約2時間、生い茂った雑草を鎌や機械で刈り取り、汗を流した。
 安中地区町内会連絡協議会の阿南達也会長(84)は「私たちの経験を若い人たちに引き継ぎ、災害を学ぶ場としてこの地を守っていきたい」と話した。

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