高齢者 心身健康に 西米良村「通いの場」本格稼働

西米良村が開設した「通いの場」で、集落支援員や作業療法士と会話を楽しむ高齢者たち

 西米良村は独り暮らしの高齢者らが集い、会話や運動などで交流する「通いの場」事業を本年度から本格稼働させている。コロナ禍による外出控えで運動、認知機能の衰えが懸念されているためで、村は「感染対策をしっかりしながら生きがいづくりの場にしていきたい」と意気込む。
 同村ではコロナ感染を心配する高齢者が以前のように交流や運動の場に出ることがなくなり、村の保健師らによる調査で認知症が進んだり、筋力が低下したりしていることが確認されたという。
 村は対策として「通いの場」事業を昨年度スタートしたものの、県内で感染が拡大するたびに閉鎖。収束がいまだ見通せない中、本年度からは感染対策を徹底した上で、継続稼働させることにした。
 「通いの場」は村所、小川の2地区で改修した空き家や公民館を使い週1、2回開設。集落支援員とともに会話や食事を楽しめるほか、本年度からは作業療法士も滞在してレクリエーションなどでの心身の強化、データ測定もできるようにしている。
 「独りでいると不安ばかり考え、口に出るのは『痛い』や『のさん』ばかり。ここでは違う」と利用者にも好評だ。村所の「通いの場」に通う加野正子さん(80)も「家ではテレビとにらめっこしながらの食事なので、会話ができて楽しい」と喜ぶ。
 感染防止のため人数制限をしているが、収束後はより多くの高齢者のほか、子どもたちも集う世代間交流の場にしたい考え。村福祉健康課の吉丸和弘課長は「幸せ度の高い村づくりの一つになってほしい」と話している。

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