大和地区の発展祈願 山頂、ふもとで3年ぶりに神事 城山神社祭典

 上越市の南葉山に連なる城山(標高283メートル)で22日、3年ぶりに城山神社の祭典が行われ地区の発展と豊作を願った。
 城山は春日山城の出城、黒田城があった山で、江戸時代以降は今泉村(現大和2)の飛び地となり、旧今泉、脇野田、荒町、土合、七カ所新田の5村の共有地となっている。昭和中期までは燃料のまきや牧草の採取地となり、現在も山菜採りなどが行われている。
 山頂には城山神社として石のほこらと鳥居が建立され、祭典が行われてきた。昭和46年からは毎年5月に祭典を実施。山頂祭と、山麓にある県営高田発電所(同市今泉城山)の脇で本祭を行っている。

山頂にある城山神社での山頂祭。先人の遺徳をしのび、地区の発展を願った
ふもとにある高田発電所脇では神社のある方角へ向かって本祭を実施。改修工事の安全を併せて祈願した

 過去2年間はコロナ禍により祭典が中止となっていたが、地域の文化を継承していくため、3年ぶりに実施することに。林道難波線から城山山頂までの参道は、大和2町内会と農家組合が前日までに草刈りや倒木処理などの整備をした。
 山頂祭には旧5村の継承者で、城山管理者を務める大和1、2、3、5・6の町内会と農家組合の代表ら約20人が出席。先人の遺徳をしのび、大和地区の発展や豊作を願った。
 本年度から高田発電所の7年にわたる大規模改修工事が始まり、発電所脇に入ることができなくなるため、本祭は今回で一区切りとし、再開は工事完了後となる。県や工事関係業者も特別に本祭に参加し、工事の安全祈願を併せて行った。
 管理者代表を務める大和2の石平春彦町内会長(68)は「祭典は生活文化であり、継承をしっかりしていかなくてはならない。(重要性を)認識し、次の世代に引き継いでいきたい」と語った。

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