ドルゴヴィッチが連勝決める。岩佐歩夢に不運のアクシデントが襲う【FIA F2第4戦バルセロナ レース2】

 5月22日、2022年FIA F2の第4戦バルセロナのフィーチャーレース(決勝レース2)が、スペインのカタロニア・サーキットで開催され、フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)がレース1に続く優勝を飾った。しかし、ドルゴヴィッチはレース後の審議対象となっており、裁定次第では優勝者が変わる可能性がある。日本勢の岩佐歩夢(ダムス)はアクシデントに見舞われ一時最後尾に後退も12位でチェッカー、佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は19位となった。

 第4戦決勝レース2のグリッドは、20日に行われた予選トップ10で決定され、アルピーヌ育成のジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)がポールポジションを獲得。フロントロウ2番グリッドにユーリ・ビップス(ハイテックGP)が、その後方、3番グリッドにメルセデス育成のフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)が、4番グリッドにレッドブル育成のユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)と続いた。

 21日に行われた決勝レース1で自身初のFIA F2表彰台となる2位を獲得した岩佐は6番手から、シーズン2度目の入賞を目指す佐藤は18番手からのスタートとなった。

 現地時間11時35分、気温31度、路面温度39度というコンディションのなか、37周の決勝レース2はスタートを迎えた。スタートではドゥーハンがホールショットを守るも、ベスティがビップスをかわし2番手に浮上。また、5番手スタートのローガン・サージェント(カーリン)がダルバラをかわして4番手に浮上している。

 一方、岩佐は6番手をキープも、5番手につけるダルバラがハードタイヤを装着していたこともあり、ダルバラのペースに付き合うことに。そんな中、4周目のターン6の立ち上がりでまさかのアクシデントが。ダルバラが突如スローダウンし、背後に着けていた岩佐は避ける間もなく追突するかたちに。

 ダルバラはここでマシンを止めてリタイアに。岩佐は緊急ピットインを敢行しフロントウイングを交換することとなり、最後尾でコースに復帰する。また、このレッドブル・ジュニア2台のまさかのアクシデントによりセーフティカー(SC)が導入された。

ユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)の背後に迫る岩佐歩夢(ダムス)

 レースは7周目にリスタートを迎えると、ドゥーハンを先頭にベスティ、ビップス、サージェント、ドルゴヴィッチ、リアム・ローソン(カーリン)と続く。その翌周の8周目に、ビップス、ジェイク・ヒューズ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、岩佐がピットイン。

 12周目に首位のドゥーハンがピットを済ませると、上位勢では10番グリッドスタートのドルゴヴィッチがピットインを遅らせて、暫定首位でレースをリード。13周時点で2台のギャップは28秒だが、ドルゴヴィッチが逆転を狙うべくドゥーハンとの、お互いに見えない姿との戦いを繰り広げることになる。

 レースも折り返しを越えた18周目、ドゥーハンとのギャップが29秒というところでドルゴヴィッチがピットイン。しかし、左フロントタイヤの交換に手間取り、ドゥーハン、ベスティの後方、実質3番手でコース復帰となった。しかし、タイヤを履き替えたドルゴヴィッチは20周目にベスティを攻略し、実質の2番手に浮上。なお、このドルゴヴィッチのピット作業についてレース終了後に審議されるとの情報がもたらされる。

2022 FIA F2第4戦バルセロナ レース2 フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)

 フレッシュタイヤでプッシュを続けたドルゴヴィッチは、ハードタイヤスタート勢を次々と攻略。24周目、ついにドゥーハンの背後1.4秒のところまで接近する。2台のギャップは25周目には1秒以内にまで接近すると、27周目のターン1でDRSも使用し、ドルゴヴィッチがドゥーハンをパス。10番手スタートから首位の座におどり出る。

 その後も、ドルゴヴィッチの勢いは止まることなくリードを広げると、ドルゴヴィッチが5.6秒差を守り、37周目のトップチェッカーを受け、暫定ではあるもののレース1に続き、バルセロナ大会を連覇で終えることとなった。2位にドゥーハン、そして3位に初表彰台獲得となるベスティが続いた。日本勢の岩佐はアクシデントに見舞われるも、着々とポジションを上げ12位でチェッカー。佐藤は19位で完走を果たしている。

 次戦となる第5戦モンテカルロは、5月26〜29日にモナコのモンテカルロ市街地コースで行われる。

■FIA F2第4戦バルセロナ フィーチャーレース(決勝レース2) リザルト/編集部集計

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 11 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 37Laps

2 3 J.ドゥーハン ビルトゥジ・レーシング 5.630

3 9 F.ベスティ ARTグランプリ 23.169

4 6 L.サージェント カーリン 24.720

5 12 C.ノバラック MPモータースポーツ 25.060

6 22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 31.430

7 7 M.アームストロング ハイテックGP 32.199

8 10 T.プルシェール ARTグランプリ 35.607

9 5 L.ローソン カーリン 37.174

10 16 R.ニッサニー ダムス 37.275

11 21 C.ウィリアムズ トライデント 38.754

12 17 岩佐歩夢 ダムス 54.848

13 1 D.ハウガー プレマ・レーシング 55.049

14 14 O.コルドウェル カンポス・レーシング 56.548

15 25 A.コルデール ファン・アメルスフォールト・レーシング 59.627

16 24 J.ヒューズ ファン・アメルスフォールト・レーシング 63.353

17 8 J.ビップス ハイテックGP 74.803

18 20 R.フェルシュフォー トライデント 80.062

19 4 佐藤万璃音 ビルトゥジ・レーシング 90.518

20 23 C.ボリュクバシ チャロウズ・レーシング・システム 93.835

– 2 J.ダルバラ プレマ・レーシング DNF

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