【寄稿】木村よしおさんを励ます集い(WEB版)/POKKA吉田

今月、来月分の原稿では参議院議員選挙前ということなので、政治の話を触れようと思う。

5月12日、木村よしお先生を励ます集いが開催された。業界の主要団体がすべてそろった形の全日本遊技産業政治連盟(全遊政連)によるもので、業界が今年の参院選で応援する木村よしおさんにとって、とても重要なパーティである。元自民党税調会長などを歴任してきた野田毅さんを顧問に据えた全遊政連としても3月の記者会見以来の公の大きな活動であり、多数の業界関係者が集まっていた。本紙鈴木紗織さんも私も取材させていただいている。

業界の主要団体の代表他幹部はもちろん、国会議員らもかけつけた。風営法議連会長である田中和徳自民党幹事長代理、業界関係者にはもはや説明不要の平沢勝栄元復興大臣、ご本人はいたが時間がなくて挨拶できなかったことを詫びて退出した鈴木隼人衆院議員が集まり、みなさんが木村よしおさんの実績、とりわけ霞が関の官僚から恐れられていると言われるほどのやり手ぶりを訴えている。また、コロナで急遽来場かなわなかった小倉將信自民党青年局長など、激励のメッセージを何人もの国会議員が寄せている。

私自身は国会議員との少しばかりの接点はずいぶん前からあるが、選挙戦を見据えた本気モードのパーティへの出席は初のことだった。で、初めて現場を観た感想はスイッチが入っている人たちの弁舌は熱量が凄い、というものである。

田中幹事長代理は業界団体の総会の来賓でお馴染みだったのでどういう話をするかと思いきや、声量から発言内容から、総会の祝賀会での挨拶とは全く違うテンションである。この先生、こんなに迫力があったのかと今更ながらに驚いた。党の要職にありながら風営法議連を会長として牽引していただいている方であり、活動再開後の風営法議連を動かしてきた方である。同議連の業界にとっての重要性を最もわかっている方の一人であり、木村よしおさんを応援することが業界のためになることを説いた。

平沢議員は警察官僚時代から業界にとってはお馴染みの方なので説明は不要だろう。かれこれ何回も弁舌を聴衆側で聴く機会をもっており、特にいつものような雰囲気で語りはじめたので「こういうのは、ひとによるのかな」とも一瞬思ったが全然違った。相変わらずの平沢節はすぐに炸裂し、何回も来場者の笑いを誘うウィットに飛んだ物言いをしつつ、業界のステージを引き上げることの重要性を説く。郵便局はものすごい数の集票があるが、ぱちんこ業界は店舗のひとだけで20~30万人ほどいてどこに規模の違いがあるのか問いかけ、その気になれば郵便局以上の票を獲得することもできる業界だとして、そうなれば明日から業界に対する社会の見る目は全く変わると訴えた。また、国会議員には仕事のできる人だけではなくてできない人も相当数いることを説明し、木村よしおさんは仕事ができる人であることを強調されていた。

野田毅さんも壇上に立って自身が若い頃にぱちんこに長時間興じたことも話されていた。野田さんは長く自民党税調会長を務めていた方だが、自民党税調というものは特に専門性の高い議員の集まりである。古くは政府税調(有識者などが集まっている)の方針は飾りのようなもので自民党税調が税制を取り仕切っており、そこのトップを長年やっておられたということで、その道のエキスパートである。業界にとってはインボイス制度への対応など、まだまだ税制とも適切に向き合う必要があることが直近に控えていることもあって、全遊政連が顧問として招聘したのは適任ではないだろうか。さて、木村よしおさんご本人ももちろん登壇し熱弁をふるっている。これもまた熱量の高い弁舌であり、初めて木村よしおさんの話を聴いた人も大勢いたことと思うが、どういう印象を受けたか私は興味深々である。私の場合は3月の記者会見以降、なんども木村よしおさんの発言を聴く機会があって2か月ほどずっと観ているが、発言内容がかなり核心をつくようになってきた、という印象がある。

木村よしおさんが主役の励ます集いなのだからかなりの尺の弁舌であったのでさまざまなことについて触れられていた。私がとりわけ興味を持ったのは規制から産業振興・育成へ舵を切るべきだ、という木村よしおさんの持論である。

骨子を簡単に言うと留学生など「外国人労働者」が日本で働くときに制限が多いことはご承知だろう。それらの制限の大元は法務省であり、法務省は特に霞が関の中でもお堅い役所である。そこが間口を拡げることが経済のためだろうということで経済振興・育成への方向に向かおうとしている。法務省に比べたらまだ全然柔らかい警察庁も、ぱちんこ業界を「規制の対象」として見るのではなく「産業振興・育成の視点」で育てていくべきだ、今時代は世界は大きく変わっているのだから、というものである。各種公営競技はそのなわばりの競馬や競輪、モーターボート競走、オートレースなどを産業振興・育成の視点でずっと観ている面が強い。ぱちんこ業界はずっと規制の対象として観られてきただけであり、今、これは転換するべきだ、という持論である。

ここで蛇足になるが、私の持論を。もともと風営法が取締法から適正化法になった昭和60年の大改正のときは、警察庁も積極的に振興・育成の視点を持っていたと思う。だからこそ、業界関係者も風「営」法とは呼ばず風「適」法とわざわざ呼ぶようになった。が、蓋を開けてみれば結局は取締法時代と同じような法運用が長く続いてきたように思う。特に前回の規則改正については、射幸性を抑制するということについて依存対策としてのエビデンスが当時から一切なく、とてもじゃないが「振興・育成」の視点があるとは言えない代物だった。だからこそ規則改正案について風営法議連が積極的に取り扱っていただいたわけであり、適切な要望なら実現するという流れを作っていけたわけだ。警察官僚だってわかっているひとは大勢いる。規制の対象から振興・育成の視点に転換するのは決して無理ゲーではない。

2年以上続くコロナ禍は世界的に、そして日本において、経済に甚大な影響をもたらしている。ウクライナ情勢がロシアの暴走で悲惨な状況になっているのを毎日のようにCNNやBBCが世界中に報じている。これを書いている時点では中国ではまだロックダウンがあるわけだ。

フィリピンではあのマルコス元大統領の息子であるボンボンマルコスが大統領になったし、韓国では5年ぶりに保守政権となる尹錫悦大統領が誕生した。日本では昨年の総選挙でも自公政権は維持され、岸田首相がコロナ対策やウクライナ情勢及びロシアへの制裁など、極めて難しい政治課題に日本のトップとして取り組んでいる。安倍政権がものすごい長期政権だったことから菅政権、岸田政権と続く今の流れは「変革の時期」ということを印象づける。

7月に投開票となる参院選は政権選択の選挙ではない。このことから自公政権の政治力は基本的には維持されることから風営法議連の活動も不安はない。議連の田中会長やあの平沢議員が木村よしおさんこそが業界のためになる人だと熱弁をふるったのを直接拝聴できたのは私にとっても良い経験となった。

おそらく本紙が発行される頃は木村よしおさんの業界による応援ステージがかなり高くなっているはずだ。ぱちんこ業界にとって重要な参院選について、来月号でも再び触れることとしたい。

■プロフィール
POKKA吉田
本名/岡崎徹
大阪出身。
業界紙に5年在籍後、上京してスロバラ運営など。
2004年3月フリーへ。
各誌連載、講演、TV出演など。
お問い合わせ等は公式HP「POKKA吉田のピー・ドット・ジェイピー(www.y-pokka.jp)」か本誌編集部まで。

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