初夏の陽光に映える絶景堪能 後楽園 延養亭の特別公開始まる

特別公開が始まった後楽園の延養亭

 岡山市の後楽園で23日、岡山藩主が居間として使っていた延養亭の特別公開が始まった。園内を最も美しく眺められるよう造られたとされる建物で、観光客らが初夏の陽光に映える絶景を楽しんでいる。29日まで。

 新型コロナウイルス禍の影響で2019年以来となる5月の特別公開とあって、朝から家族連れやグループが次々と来園した。庭に向かって障子が開け放たれた主室(約10畳)から青々とした芝生やモミジ、園の中心に築かれた「唯心山」(高さ約6メートル)など、名園の景色を堪能した。

 千葉県から初めて訪れた女性(72)は「普段は公開されていない素晴らしい景色を見られてうれしい」と笑顔で話した。

 延養亭は木造平屋約255平方メートルで、17世紀後半に建設された。1945年の岡山空襲で焼失したものの、60年に再建された。普段は非公開で、例年は5、10月に公開されてきた。

 特別公開は1日6回(1回20分)。定員は各回10人で予約優先。参加料は600円(別途入園料が必要)。問い合わせ・申し込みは同園事務所(086―272―1148)。

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