グリセロールフェニル酪酸の日本における開発・製造販売に関する独占的ライセンス契約締結のお知らせ

2022年5月23日
シミックホールディングス株式会社
株式会社オーファンパシフィック

シミックホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO 中村 和男)の100%子会社である株式会社オーファンパシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長 原 愛、以下オーファンパシフィック以下、オーファンパシフィック)は、Immedica Pharma AB(本社スウェーデン ストックホルム、CEO Anders Edvell、以下Immedica社以下、Immedica社)と、2022年5月2日、日本における以下の権利を対象とした独占的ライセンス契約を締結したことをお知らせします。

尿素サイクル異常症(Urea Cycle Disorders:以下、UCD)治療薬グリセロールフェニル酪酸(海外販売名Ravicti®)の開発・製造販売

オーファンパシフィックは、既に日本において、Immedica社よりブフェニール®(フェニル酪酸ナトリウム)を輸入し、製造販売しておりますが、今回、既に米国および欧州で承認、販売されているUCD治療薬であるグリセロールフェニル酪酸の日本国内での開発・製造販売に関する権利をImmedica社より取得しました。

UCDによって引き起こされる血中アンモニア値の上昇を管理するために、現在、日本国内では、ブフェニール®の錠剤と顆粒剤が使用されておりますが、海外ではRavicti®も広く使用されています。Ravicti®は、グリセロールフェニル酪酸を含有し、無味無臭の服用しやすい経口液剤で、特に、乳児、小児の患者さんにとって利便性の高い製剤であるため、日本でもRavicti®を使用できるようにすることが望まれてきました。

オーファンパシフィックは、今後、日本国内でのグリセロールフェニル酪酸の承認取得を目指した治験を開始する予定です。

尿素サイクル異常症(UCD)について
尿素サイクルは主に肝臓において、生体内で発生する有毒なアンモニア(NH3)を無毒な尿素に変える代謝経路です。尿素サイクル異常症は尿素サイクルに関与する酵素等に先天的な異常があり、高アンモニア血症などを呈する一連の疾患群です。嘔吐、哺乳力低下、多呼吸、痙攣、意識障害、行動異常、発達障害などがみられ、時には命にかかわるような重篤な状態になることもあります。多くは乳幼児期に発症しますが、なかには成人になって初めて診断されることもあります。8,000~44,000人に1人の頻度で発症し、指定難病の1つになっています。
[参考] 難病情報センター 尿素サイクル異常症(指定難病251)
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4732 (2022年5月18日アクセス)

株式会社オーファンパシフィックについて
オーファンパシフィックは、希少疾病治療薬の開発・製造販売を通じて希少疾病の患者さんに新たな治療薬を提供する日本の製薬企業です。「希少疾病を持つ患者さんとご家族に笑顔と幸せを届けます」を私たちの使命とし、“Leave No One Behind(誰一人取り残さない)”という決意で、患者数が非常に少ない希少疾病の治療薬の開発・提供にも積極的に取り組んでいます。オーファンパシフィックは、日本のCRO(医薬品開発受託機関)のパイオニア、かつリーディングカンパニーであるシミックホールディングスの100%子会社であり、シミックグループの医薬品開発・製造・販売の経験とノウハウを最大限に活用し、1人でも多くの希少疾病の患者さんが治療薬にアクセスできるようにすることを目指しています。

Immedica Pharma ABについて
Immedica社は、欧州と中東で希少疾病用医薬品/スペシャリティケア製品の販売に関するノウハウと経験をもち、国際的な提携と営業で優れた実績のある高いパフォーマンスを発揮している独立系製薬会社です。スウェーデンのストックホルムに本社を置いて、欧州および中東を直接の商圏とし、各地域のパートナー・ネットワークを通じて、同社製品の一部を世界の他の地域にも提供しています。
同社経営陣は、希少疾病用医薬品の国際的な提携や営業で優れた実績を有し、Immedica社は、規制関連業務、医薬品の安全対策、医療業務、価格設定と償還、製品流通といった重要な機能を含め、医療上のニーズが高い患者さんにスペシャリティケア製品への最適なアクセスを提供する能力をもっています。