中国電 水島火力発電2号機廃止へ 老朽化、環境負荷を低減

廃止が決まった石炭火力2号機がある水島発電所

 中国電力(広島市中区)は23日、石炭火力の水島発電所2号機(倉敷市潮通、出力15万6千キロワット)など管内の火力発電所4基を2024年1月までに廃止すると発表した。二酸化炭素(CO2)排出量の多い老朽化施設を廃止し、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向けて環境負荷の低減を図る。

 水島発電所2号機は23年4月に廃止する予定。1963年8月の運転開始から60年近くが経過し、他の施設と比べて発電効率が低い上、老朽化が進んでいた。4月28日から発電を停止しており、今後は発電所に残る石炭の処理などを進める。天然ガス火力の1号機(28万5千キロワット)、3号機(34万キロワット)は稼働を続ける。

 他に廃止となるのは、いずれも山口県内にある石油火力の下松発電所3号機(19年から計画停止中、70万キロワット)と、下関発電所の石炭・石油火力の2基(計57万5千キロワット)。管内では高効率の石炭火力の三隅発電所2号機(島根県、100万キロワット)が11月の本格稼働に向けて試運転に伴う発電を始めており、4基の廃止後も十分な供給力を保てるという。

 中国電力は、政府の「2050年カーボンニュートラル」宣言を踏まえ、脱炭素化の取り組みを推進している。30年までに非効率な石炭火力を段階的に廃止するほか、関連会社の大崎クールジェン(広島県)で石炭火力のCO2分離・回収などを研究。燃やしてもCO2を出さないアンモニアや水素の利用も目指している。

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