首の凝りや頭痛を招く「ストレートネック」の予防と改善方法 専門家が助言、症状和らげるストレッチも

ストレートネックの症状を緩和するストレッチの一つ。後頭部のくぼみの下を軽く押さえてうなずく動きを10回

 子どもから大人まで誰もがなり得る「ストレートネック」(スマホ首)。姿勢を悪くするほか、首の凝りや頭痛などの症状を引き起こし、心身に悪影響を及ぼす可能性があるとされる。福井県内の専門家は「スマートフォンやパソコンは持ち上げて使うなど生活習慣の見直しを」とアドバイスしている。諸症状を和らげるストレッチも教えてもらった。

 「スマホ首は生活習慣が大きく影響している」と話すのは、リラクセーションサロン「WaiTea(ワイテァ)」(福井県鯖江市)代表の清水和人さん(39)。スマホ首とはその名の通り▽下を向いてスマホを触る▽前傾姿勢で首が前に出た状態でパソコンを触る-といった首に負担が掛かる姿勢を長時間続けた結果、本来は緩やかに湾曲するべき頸椎(首の骨)が真っすぐに伸びきってしまった状態のこと。

 首や肩の凝り、頭痛、目が疲れやすいなどの症状が現れる場合があり、悪化すると首に動かせないほどの痛みや吐き気に襲われるという。「頭は体重の約10%を占めるほどの重さがある」と清水さん。首が前に出ることで姿勢が悪くなり、老け込んで見られがちになるのに加え「姿勢の悪さは呼吸を浅くさせ、ネガティブな気分になりやすくさせる」などの悪影響も出ると指摘する。

 壁に背中を付けて立ち、両耳が肩よりも前に出ているとスマホ首の可能性がある。予防と症状改善には▽スマホやパソコンはできるだけ目線と同じ高さに近づけて使う▽長時間使用する際は適度に休憩を挟む▽意識的に胸を張る-などの生活習慣の見直しが効果的という。

 その他、高い枕を使っている場合は低い枕に段階的に替えていくと良い。ストレスは首を凝り固め、スマホ首の進行を早める危険性があるためストレスの解消も重要だ。

 清水さんは近年、小中高校生もスマホやパソコンを使う機会が増え「スマホ首の若年化が進んでいるのでは」と話し、注意を呼び掛けている。

ストレートネック症状緩和へストレッチ

 清水さんによると、ストレッチは湯船に漬かりながら行うと「凝り固まった筋肉がほぐれやすく、症状の改善につながりやすい」。首、肩凝りなどの症状が気になるときに無理のない範囲で行い、少しでも痛みや違和感を覚えた際は「整形外科の受診を」と話している。

⇒【動画】ストレートネックの症状を和らげるストレッチ

 【1】胸の前で両手を交差させ、両鎖骨を軽く押さえる。正面を向いた状態で1秒間に1回のペースで天井を見るようにして顔を上げる。のど仏辺りの皮膚を伸ばすイメージで10回行う。

 【2】鎖骨を両手で軽く押さえて右横を向く。目線を右斜め上に持っていくイメージで首を傾けたら、再度右横に戻す。この流れを10回繰り返す。反対側も同様に。

 【3】後頭部のくぼみの下を3本の指で軽く押さえ皮膚を少し下げる。正面を向いた状態からうなずく動きを10回繰り返す。

 【4】後頭部のくぼみの下を軽く押さえ、同箇所の皮膚を少し下げる。顔をゆっくりと上げて、天井を見ながら10秒間キープする。

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