米軍関係の公文書群を寄贈 NPO特別顧問「歴史的にも貴重」 極秘資料も

立命館大への寄贈前に、収集した米軍関係の公文書群を紹介するピースデポの梅林宏道特別顧問=神奈川県庁

 在日米軍の調査・分析に取り組むNPO法人「ピースデポ」(横浜市港北区)の梅林宏道特別顧問(84)は、自身が中心になって収集した米軍関係の公文書群「梅林コレクション」を立命館大・国際平和ミュージアム(京都市)に寄贈したと明らかにした。当時の極秘文書も含まれているといい、散逸を防いで今後の研究・調査に役立ててもらうのが目的だ。

 コレクションは米軍基地や部隊・組織、艦船に関するものなど多岐にわたり、文書数は1348点。紙資料が約5万4千ページ、マイクロフィッシュ367枚に上る。

 梅林さんが1998年のピースデポ発足以前から、米国の情報公開法に基づく文書請求や、米国立公文書館などを訪問して収集に努めた。米艦船の航海日誌や米軍部隊の年次報告、在日米軍基地のマスタープラン、米国務省と在日米大使館で交わされた電報などで、米軍の核兵器に関する事故や運搬上の扱いを記した文書もある。梅林さんは「今後も調査が必要な公的記録で、歴史的にも貴重なものばかり」と話す。

 コレクションは11日に同ミュージアムに送られた。寄贈に関し、梅林さんは「高齢になり、このままコレクションが散逸してしまうのはもったいないと感じ、しっかりと継承してくれる施設に託すことにした。関心のある人にアクセスしてもらい、資料から新たな事実が浮かび上がることに期待したい」と話した。

 同ミュージアムは寄贈されたコレクションの目録をデータベース化し、2023年度中に関心のある人が閲覧できる体制を整備することにしている。

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