岡山市待機児童8人 4月1日時点 定義変更以降、初めて1桁に

 岡山市は24日、市内の認可保育施設に入園できなかった待機児童が4月1日時点で8人だったと発表した。前年の31人から23人減り、5年連続で減少。目標だったゼロは達成できなかったが、待機児童の定義変更で急増した2016年以降で初めて1桁になった。

 入園を申し込んだ1万8884人(前年比9人増)のうち入園者は1万8256人。入れなかった628人は新規申込者で、このうち認可外施設の利用者、特定の保育所を希望して調整のつかない人などを除いた8人を待機児童とした。入れなかった理由は障害がある、通園の交通手段がない、申し込みの時期が遅い―のいずれかだった。

 大森雅夫市長はこの日の記者会見で「待機児童解消をほぼ達成できた」と強調。「今後は量的に安定した保育環境を維持しながら、障害児保育の充実など個別事情がある方でも入園しやすい環境になるよう質の向上を進めたい」と述べた。

 待機児童数の減少について市は、保育施設の整備、保育士の処遇改善といった施策の効果に加え、就学前児童数の減少、新型コロナウイルスの影響を踏まえた預け控えなどが要因になったと分析している。

 岡山市の待機児童は、保護者のニーズを踏まえて定義を拡大し、17年に849人まで増加。18年まで3年連続で全国ワースト2位だった。全国集計は秋にまとまる見込み。

岡山市の待機児童について記者会見で説明する大森市長

© 株式会社山陽新聞社