2018年のアカデミー賞外国語映画賞（現在の国際長編映画賞）のペルー代表に選ばれた映画「アンデス、ふたりぼっち」が、7月30日から劇場公開されることが決まった。
「アンデス、ふたりぼっち」は、ペルー映画史上初となる全編アイマラ語で作られた長編映画。舞台は南米のアンデス山脈。標高5,000ｍを越える、社会から遠く離れた場所に暮らす老夫婦のパクシとウィルカは、アイマラ文化の伝統的な生活の中で、リャマや羊と暮らしていた。コカの葉を噛み、日々の糧を母なる大地のパチャママに祈る日々を送る2人だが、ある日飼っていた羊がキツネに襲われてしまう。さらに、マッチを買いにいった夫・ウィルカは、その途中に倒れてしまう。そして都会に出た息子の帰りを待つふたりに、衝撃のラストが訪れる。
監督は、ペルー南部プーノ県出身のオスカル・カタコラ。小津や黒澤などの日本映画から大きな影響を受け、アイマラの文化・風習の中に、私たちが存在を知りながらも目を背けていた現実を、悠大なアンデスの自然とともに描き出す。ペルーの首都リマ以外の地域で制作されるシネ・レヒオナル（地域映画）の旗手として今後の活躍を期待されていたが、2021年11月、2作目の撮影中に34歳の若さでこの世を去った。本作は長編初作品であると同時に遺作となった。ウィルカ役を監督の実の祖父が、パクシ役は映画を見たことのない素人が演じている。
【作品情報】
アンデス、ふたりぼっち
2022年7月30日（土）より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
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