カキ殻の山、S字電柱…写真集に 岡山の“絶景”厳選 一幡さん刊行

青空とのコントラストが印象的なカキ殻の山=瀬戸内市邑久町虫明(一幡さん撮影)

 積み上げられたカキ殻、ぐにゃりと曲がった電柱―。岡山市中区の自営業一幡公平さん(48)が岡山県内で見つけて撮影した魅力的な光景の写真集「集まれ!おかやま 名もなき素敵(すてき)な景色たち」を刊行した。クスッと笑える不思議な物や、観光地のようには注目されない“絶景”を厳選している。

 一幡さんは趣味で県内外の趣ある街並みや建造物を訪ね歩いて写真に収め、リトルプレス(少部数出版)の本を製作している。新型コロナウイルス感染拡大で県外への移動が制限される中、これまで取り上げてこなかった県内の風景をまとめようと、2年前から編集を始めた。

 3月に発行した第1号では県内114カ所の124枚を収録。瀬戸内市のカキ養殖会社の敷地内では、肥料として再利用されるのを待つカキ殻が山のように積まれた様子を捉えた。美作市内には「道路交差点あり」の同じ標識2本がほぼ並んで立っており、思わず首をかしげたくなる光景になっている。

 真っすぐだと何か都合が悪いからか途中がS字に曲がっている電柱、かつて路線バスとして使われ現在は集会所や倉庫の一部に役割を変えた大型バス、住宅街や高台に設置された個人所有の小型天文台など、複数枚の写真を集めたページも目を引く。

 B5判、カラー32ページ。770円。丸善さんすて岡山店(岡山市)や通販サイト「アマゾン」で購入できる。

 「面白い光景は県内のいろいろな場所にある。本を頼りに足を運んでもらうきっかけになれば」と一幡さん。今後、年1回のペースで写真集を刊行する予定だ。

S字にぐにゃりと曲がった電柱=岡山市東区西大寺中野(一幡さん撮影)
屋根と一体化したバス。集会所として使われており“室内”から望む山あいが絶景という=美咲町和田北(一幡さん撮影)
「集まれ!おかやま 名もなき素敵な景色たち」の第1号
一幡公平さん

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