放置自転車無断処分で45万円賠償 小田原市、37人と示談 路上などに1週間以上放置の24台にも

小田原市役所

 神奈川県小田原市が小田原駅前などの放置自転車120台を無断で処分していた問題で、同市が37台の持ち主に計45万円の損害賠償を支払っていたことが24日、分かった。このうち路上などに少なくとも1週間以上放置されていた24台にも賠償金が支払われたが、市は「なぜ長期間放置したのか、自転車を捨てたのかは持ち主には確認はしていない」としている。

 120台は2020年6、8、10月に放置禁止区域などで市が回収。本来は撤去から60日間保管し、防犯登録番号から持ち主に通知書を送り引き取りを求めなければいけないが、市担当者が「仕事が忙しく失念」し、通知書を送らないまま処分したという。 

 市は昨年8月の問題発覚後に全ての持ち主に謝罪文を送付し、賠償金を求めた42人のうち37人と4月末までに示談が成立した。放置禁止区域に駐車し即日撤去した13台を除いて、24台は路上や無料駐輪場に放置され、警告文を張ってから1週間以上、持ち主が回収していなかった。

 120台のうち盗難の被害届が出されていることを市が確認できたのは8台。市は「持ち主に無断で処分したことで発生した損害賠償で、盗難車なのか持ち主による不法投棄なのかによって支払い金額が変わるわけではない」と説明している。

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