栃木県内観光客 21年入り込み4.9%増

本県の観光客入り込み数・宿泊者数・外国人宿泊者数の推移

 2021年の県内観光客入り込み数は前年比4.9%増の6413万7748人、宿泊者数は0.1%増の507万2446人となったことが24日、県観光交流課のまとめで分かった。新型コロナウイルス禍が続く中、入り込み数は3年ぶり、宿泊者数は4年ぶりに増加へ転じた。一方でコロナ禍前の19年と比べると、いずれも7割に届かない水準で、福田富一(ふくだとみかず)知事は同日の定例記者会見で「関連産業は依然として厳しい。回復傾向にあるが道半ば」と述べた。

 県内市町の推計値を同課が集計した。入り込み数、宿泊者数とも増加した理由について県は、観光需要を喚起する支援事業「県民一家族一旅行」第2弾などが奏功したとみている。

 月別に見ると、緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用がなかった期間のうち、4~7月と11、12月は入り込み数、宿泊客数とも前年同月を上回った。特に、感染状況の減少傾向に伴い10月半ばから実施された同支援事業が追い風となり、11月はいずれも年間で最多だった。

 市町別の入り込み数は宇都宮市が19.7%増の894万4900人でトップ。次いで日光市が5.4%減の789万500人、那須塩原市が0.2%増の677万2千人と続いた。

 宿泊者数の最多は日光市で、8.4%減の169万6500人。那須町が0.3%減の124万8300人、宇都宮市が16.2%増の119万8800人。

 外国人宿泊者数は58.5%減の1万6800人と大幅に減った。入国制限などが影響したとみられる。国籍別では中国、米国、ベトナムの順だった。

 インバウンド(訪日外国人客)の受け入れ再開に向け、本県も旅行先に含まれている観光庁の訪日ツアーの実証事業第1弾が24日開始された。福田知事は「早期のインバウンド回復を目指して積極的に取り組みたい」と対応を強化する考えを示した。

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