全線開通65年記念 企画列車を運行 JR西日本金沢支社長 路線認知の機会に 糸魚川市で大糸線活性化協

 JR大糸線糸魚川―信濃大町(長野県大町市)の沿線自治体と新潟、長野両県、JR西日本で組織する「大糸線活性化協議会」の総会が24日、糸魚川市のヒスイ王国館で開かれ、全線開通65周年記念の企画列車を運行するなどの事業を決めた。今秋の運行を見込む。
 大糸線は松本(長野県松本市)―糸魚川間105・4キロを結ぶ鉄道路線で、松本―南小谷間70・1キロをJR東日本が、南小谷―糸魚川間35・3キロをJR西日本が運行している。JR西は4月、南小谷―糸魚川間の収支を公表し、2018~20年度の平均は6億1000万円の赤字。収支率(費用に対する収入の割合)は2・9%で、現状は極めて収益性に乏しい。
 協議会会長を務める糸魚川市の米田徹市長は「大糸線は沿線住民にとってなくてはならない路線であり、沿線は世界に誇るスノーリゾートだ。北陸新幹線が大阪に向かい延伸していくに当たり、大糸線は新幹線の活性化に資すると考えている」と述べ、路線存続の重要性を強調した。
 企画列車について、副会長で長野県小谷村の中村義明村長は「松本から糸魚川まで、大糸線の沿線自治体で組織する各協議会とも組んで、JR東・西とも関係を持ちながら(企画列車の運行を)考えていくべきと思う」、JR西日本金沢支社のの漆原健支社長は「沿線自治体の意向を聞きながら連携し、広く大糸線を認知してもらう機会になれば」と述べた。

総会終了後、報道陣の質問に応じる(左から)JR西日本金沢支社の漆原支社長、米田市長、長野県小谷村の中村村長

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