50歳会社員、住宅ローン残り30年。子どもの学費を払いながらどう繰り上げ返済する?

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50歳会社員です。子どもが15歳で、これから学費がかかってくる中、繰り上げ返済について悩んでいます。

築15年の中古一戸建を、4年前に2,180万で購入しました。金利は1.5%(30年固定、8大疾病保障付き)。現在の残債は1,980万円、残り返済期間は30年。完済予定は79歳になってしまうので、繰り上げ返済をしたほうがいいとは思うものの、どのようなペースで返していけば無理なく返せるでしょうか。アドバイスお願いいたします。

【相談者プロフィール】

・男性、50歳、会社員をしながら副業をしています。

・妻:43歳(妻の実家が近く、妻は妻の母の介護のため毎日通っています)

・子ども:1人(15歳)

・住居の形態:持ち家(戸建て、中国地方)

・毎月の世帯の手取り金額:47万円(うち副業で月2万円)

・ボーナスの有無:なし

・毎月の世帯の支出の目安:37万円

【毎月の支出の内訳】

・住居費:6万8,000円(あと30年ローン)

・食費:無記載

・水道光熱費:4 万円(冬)電気、ガス、水道

・教育費:5万円 塾

・保険料:2万円(夫婦合算)

・通信費:1万3,000円(スマホ2台、家Wi-Fi、キッズ携帯)

・車両費:0(ローンなし)

・お小遣い:3万円

・その他: 2万円(車税金・保険、修理貯蓄)

【資産状況】

・毎月の貯蓄額:2万円

・現在の貯金総額(投資分は含まない):1,000万円

・現在の投資総額:330万円

・現在の負債総額:2,000万円

・公的年金:15万円

・退職金:ありの場合の退職金200万円

渡邊:こんにちは、ファイナンシャルプランナーの渡邊です。今回は住宅ローンの返済計画についてのご相談です。お子さまの教育費負担や老後の準備を踏まえた上で、どのように繰上げ返済の計画を立てていけば良いのでしょうか。ムリのない安心の繰上げ返済計画について考えていきましょう。

65歳で完済を目指すならいつ、いくら繰り上げる?

繰上げ返済を考えるとき、多くの方が「働いている間に返し終わりたい」と考えるかと思います。退職して年金生活に入ると、より住宅ローンの返済の負担感が増えるためです。ご相談者は現在50歳とのことですので、完全リタイアの65歳まであと15年とします。住宅ローンの残期間が30年ですので約15年返済期間を短縮する必要があります。

住宅ローン残債1,980万円・残期間30年・固定金利1.5%・月々返済約6万8,000円/月という条件でシミュレーションを作成すると、15年経過後に住宅ローンの繰上げ返済用に約1,100万円を準備することができれば、65歳で完済できる計算となります。

ただ、将来に向けての資金計画は、住宅ローンの返済だけではありません。教育費準備や老後準備と並行して計画を立てる必要があります。

大学入学までに460万円が必要に

では、教育費準備について見ていきましょう。

希望の進路について特記がないので、高校までは公立、大学は私立文系と仮定します。日本政策金融公庫による令和2年度「教育費負担の実態調査結果」によると、私立大学文系の入学費用の平均が95万1,000円、在学費用の年間の平均が152万1,000円となります。

現在の家計の収支で教育費として準備できるのが60万円/年とすると、初年度で187万2,000円、2年目以降は92万1,000円の貯蓄取り崩しとなり、大学4年間合計では463万5,000円となります。すなわち、大学入学までに大学教育資金460万円ほどが必要ということになります。

老後資金はどのくらい準備すればいい?

最後に老後資金準備を考えます。

ご相談者(夫)が将来の受給できる公的年金が15万円/月程度とのことですので、妻が国民年金のみで満額の約6万4,000円/月と仮定すると、世帯合算で月々約21万円/月の受給額となります。

総務省の「家計調査年報(家計収支編)令和元年(2019年)」によると、夫婦2人世帯の老後生活費の平均は27万1,000円/月となります。この数字はあくまで平均なので、ご相談者の現在の生活費をベースに住宅ローンや教育費を差し引くと、25万円/月となります。お子さまが経済的に独立すれば、もう少し生活費は下がるかもしれません。今回は、仮に65歳以降、生活費25万円/月程度必要だと想定すると、年金受給額と差し引き月々約4万円程度を取り崩す計算となります。

もし65歳から90歳まで生きると仮定すると、【4万円/月×12カ月×25年=1,200万円】で、65歳までに約1,200万円程度の準備をする必要があります。

期間ごとの貯蓄目標はどのくらい?

これから大きく必要な資金目標を整理すると、
住宅ローン繰上げ返済……1,100万円
大学教育費準備……460万円
老後資金準備……1,200万円
合計で2,760万円が必要となります。

現在の貯金総額が運用含めて1,330万円、加えて退職金が200万円なので、合計1,530万円は確保できています。【2,760万円―1,530万円=1,230万円】、すなわち、65歳までの15年間で1,230万円を貯蓄する必要があることになります。

【子どもが大学入学までの貯金額】
中学、高校在学中、現在の貯蓄24万円/年は継続できるとすると、
24万円×4年間=96万円

【子どもが大学在学中の貯金額】
取り崩し期間のため、貯蓄純増額はなし。

【子どもが大学卒業後の貯金額】
大学卒業後、65歳のリタイアまで7年間あります。
1,230万円―96万円=1,134万円
1,134万円÷7年間=162万円/年

お子さまが大学卒業すると教育費負担が軽くなるので、その分貯蓄にまわし、年間162万円/年貯蓄することが可能であれば、老後準備ができる計算となります。

また、繰上げ返済も余裕があれば早めに進めたいところなので、仮にお子さまが大学卒業してから年間100万円の繰上げ返済を継続すると、65歳時点で357万円を支払えば完済する計算となります。

大学卒業後の貯蓄額が鍵

大学卒業までは教育費負担が重く繰上げ返済する余裕は無いですが、大学卒業後から計画的に繰上げ返済をすることができれば、約170万円程度の利息軽減効果を得ることができます。

安心して住宅ローンを完済しながら老後準備をするためには、大学卒業後の貯蓄額がポイントとなります。今後収入や支出の変化があるかと思いますが、年間162万円の貯蓄を目指し、そのうちの100万円を毎年繰上げ返済に回すことを目標としましょう。

その他、資産運用や生活費改善など取り得る対策も複数あるので、今後の生活に優先順位を付けながら計画的に貯蓄計画・返済計画を立てていきましょう。