カターレ より身近に 各地で練習試合公開

大勢のサポーターが会場に足を運んだ公開練習試合=23日、高岡市スポーツコア

■「県民クラブ」積極アピール

 サッカーJ3のカターレ富山は今季、スタジアムやトレーニング施設などの拠点がある富山市だけではなく、県内全域に活動の場を広げている。県民にさらに親しまれるクラブを目指す事業方針の一つで、23日には新型コロナウイルス下で初めて、県西部で公開練習試合を実施した。今後も県内各地で定期的に行う予定で、カターレは「試合などで喜怒哀楽を県民と共有できるチームを目指す」としている。(南貴大)

 カターレは富山県で唯一のプロサッカークラブで、県内全域をホームタウンにしている。ただ、本拠地の県総合運動公園陸上競技場や練習施設の北陸電力総合運動公園が富山市内にあるため、同市内での活動が多く、他の市町村に出向くことは少なかった。

 新型コロナの感染拡大による移動制限で、その傾向はさらに強まった。感染予防に向け、一般公開してきたトレーニングを非公開にしたため、選手とサポーターが触れ合う機会も減っていった。

 状況を打破しようと、昨季から交流サイト(SNS)を活用して積極的に情報を発信。今季は県内全域でトップチームの練習試合を開催し、クラブへの親近感をさらに高めようとしている。多くのサポーターに注目、応援されることで、選手のプレーの質が向上する効果も見込む。

 23日には、高岡市スポーツコアで北信越1部のJAPANサッカーカレッジ(新潟)との公開練習試合を実施。サポーターに楽しんでもらおうと、試合後に選手と集合写真を撮ったり、抽選でサイン色紙をプレゼントしたりした。小学生の娘と訪れた氷見市窪、会社員、東海純子さん(39)は「カターレは『富山市のクラブ』という印象がある。県西部で試合があると見に行きやすい」と喜ぶ。

 出場機会が少ない選手のプレーを間近で見ることができるため、23日の練習試合には平日にもかかわらず約200人のサポーターが訪れた。今後も定期的に県内各地で開催する予定で、県内の社会人チームとの対戦も検討している。

 カターレの松本純広報担当は「富山市が遠くて試合を見に行けない人もいる。多くの県民にカターレの魅力を感じてもらえるきっかけになれば」と期待している。

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