「看護師になりたかった…」が放送。看護学校のパワハラ問題に迫るドキュメンタリー

HTB北海道テレビで5月29日、HTBノンフィクション「看護師になりたかった…」(午前10:50、北海道ローカル)が放送される。二つの道立看護学校で起きた教師から学生へのパワハラ。問題発覚から追い続けてきた取材・報道をまとめ、教育の在り方を問うドキュメンタリーだ。

「もうお前みたいなバカは死ね」「殴るよ、蹴るよ」「ペンでぶっさすぞ」──。教師から学生に向けて日常的に浴びせられていたという数々の暴言だ。

53件のパワハラ・教師11人の関与を第三者調査委員会が認定した、北海道立江差高等看護学院と紋別高等看護学院における教師から学生へのパワハラ。看護師を育てるはずの学び舎でなぜパワハラは起きたのか。今求められる看護教育とは何なのか。問題発覚から同局が追い続けてきた一連の取材や報道を、番組ではあらためてまとめる。

定員割れ、増え続ける退学者…。なぜ、多くの学生が看護師として働く未来を絶たれなければいけなかったのか。ここまで問題が大きくなった原因として指摘されたのは、副学院長に事実上権限が集中していたこと。そして、学校を運営する北海道の対応だ。

「認定されるまで私は正しいことをしていると思っていました」。53件のうち、20件のパワハラが認定された江差高等看護学院の副学院長は保護者にそう話した。

「息子は江差の学校に殺された」──。江差高等看護学院では3年前、1人の男子学生が自殺した。「この学校に行かなかったらこんなことにならなかった。かえしてもらえるなら、本当にかえしてもらいたいんです…」。遺族はそう言って涙を流す。

第三者調査委員会は、北海道立高等看護学院での教育を「前時代的」と指摘した。時代とともに学生の特徴や求められる看護師像も変わる中、現場はどのように対応しているのか。3年制の看護学校が多い中、同番組ではより充実した学びを得られるように4年制の教育にも取り組む学校も取材。今の時代に求められる看護教育の在り方を考える。

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