東京都、首都直下地震の被害想定10年ぶり見直し 最大で死者6000人規模…新たな課題も

東京で今後30年以内に70%の確率で発生するとみられているのが「首都直下地震」です。東京都は10年ぶりに首都直下地震の被害想定を見直しました。最大の被害想定では死者が6000人規模に上る試算となりました。

東京都は都内の社会基盤や都民の生活習慣などが変わったことに伴い、10年ぶりに首都直下地震の被害想定を見直しました。新たな被害想定では死者は最大およそ6100人と見込んでいて、10年前の被害想定に比べておよそ3500人少なくなっています。東京都は想定結果について、この10年間で進めてきた建築物の耐震化や住宅の不燃化などの取り組みの効果が表れたものと説明しています。

また一方で、都内の住宅の高層化による課題も示されました。この10年でタワーマンションが増えている都内で、高層階に住む人は長期の在宅避難となる可能性が指摘されています。東京都・地震部会の平田直部会長は「タワーマンションは建物自体、新しい基準で造ってあれば震度7でも倒れることはないが、強い揺れになるとエレベーターが止まる。復旧するには大変時間がかかることが予想される」と指摘しました。

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