備中うるし利活用協議会が解散 10年間活動、「役割果たした」

解散を決めた「備中うるし利活用協議会」の会合=岡山市

 国産漆の最高峰とされた備中漆の復興を目的に、岡山県と県郷土文化財団、新見、真庭市などでつくる「備中うるし利活用協議会」は26日、岡山市内で会合を開き、10年間の活動で「一定の役割を果たした」として同日付で解散した。

 会員や構成団体から8人が出席。事務局が「(採取された漆が)真庭市では郷原漆器に活用され、新見市では京都への販売ルートが確立された」と活動の成果を報告し、解散を決めた。今後は植栽地を管理運営する新見、真庭市に委ねる。

 同協議会は、旧林原共済会と県郷土文化財団が進めていた備中漆復興事業を継承するため2012年に発足。14年に新見、真庭市に植栽地の管理を移管した後は、備中漆を用いた作品の展覧会を開くなど振興策を話し合ってきた。

 漆芸家の塩津容子会長は「復興させた備中漆を途絶えさせないよう、今ある木を守ってほしい」と話した。

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