はるやま会長の取締役再任に反対 大株主の姉、6月の総会に提案へ

 紳士服大手のはるやまホールディングス(HD、岡山市北区表町)が6月に予定している株主総会で、創業家の治山正史会長の取締役再任に反対する姉の株主提案が諮られることが26日までに分かった。同HDの株主総会では過去2年、正史氏ら現経営陣では業績不振から抜け出せないとして、創業家の一部が再任に反対するなど紛糾が続いている。

 提案したのは正史氏の姉で大株主の岩渕典子氏。現経営陣に代わり、はるやま商事(同)の元専務ら5人を取締役や監査役に選任する株主提案を提出した。新型コロナウイルス禍もあり同HDが創業以来最大の危機に立たされる中、正史氏の経営では立ち直れないとし、スピードをもって改革するためとしている。

 同HDは正史氏や中村宏明社長の再任を提案しており、24日の取締役会で、典子氏の提案に反対することを決議した。株主総会は6月29日に開かれる。

 過去の株主総会では同HDが提案する取締役再任案に、典子氏や父で創業者の正次氏らが反対する構図となり、正史氏に対する賛成率は一昨年が51.59%、昨年が57.55%と賛否が拮抗(きっこう)した。

 はるやまHDは正次氏が1955年に玉野市内で洋服店を開いて創業。94年に上場した。ただ、スーツ離れにコロナ禍が拍車を掛け、2021、22年3月期の連結決算では最終赤字を計上。22年の赤字額は過去最大の78億9600万円に膨らんだ。

© 株式会社山陽新聞社