強制性交致傷、米兵に懲役4年6月 那覇地裁「悪質」

 沖縄本島内で昨年10月、面識のない女性に性的暴行をしようとしてけがを負わせたとして、強制性交等致傷の罪に問われた在沖米海兵隊上等兵の被告(22)の裁判員裁判で、那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)は26日、懲役4年6月(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。弁護側は控訴しない方針。

 佐藤裁判長は判決理由で、女性の首を絞めるなどの暴行を加えた犯行を「相応に悪質」と非難。被告は祖父と弟を立て続けに亡くして深酒をし、自分に対する怒りの感情を制御できずに犯行に及んだと主張していたが、佐藤裁判長は「親族を亡くした事情と犯行に及んだことは全く別問題で、身勝手と言うほかない」と述べた。

 一方で、女性が必死に抵抗するなどしたとはいえ、直接的なわいせつ行為に及んでいないと指摘。女性が受け取りを拒否しているものの、被害弁償金を用意していることや、反省していることなどから刑を減軽した。

 判決などによると、昨年10月の深夜、沖縄本島内で帰宅しようと自分の車に乗り込んだ女性を運転席から引きずり出し、拳で複数回、殴るなどの暴行を加えて乱暴しようとし、けがを負わせた。

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