越前和紙の産地、福井県越前市今立地区の製紙所に、繊細な透かし模様や鮮やかな編み糸が施された涼しげなうちわが並び、夏を前に買い求める人が増えている。
同市大滝町の「RYOZO-柳瀬良三製紙所」のうちわは、薄さや独自の技法で表現した細かな模様が特徴。2月末から売れ始め、5月が最も購入者が多いという。
新型コロナウイルスの影響で県内各地の夏祭りの多くは中止されてきたが、今年は再開の動きが出ている。柳瀬靖博店長(54)は「浴衣の新調に合わせ、女性がうちわを買いに訪れている。職人の技を尽くした工芸品を知ってもらえれば」と話した。