ウクライナ人研究者・プラソルさんが長崎大へ 県内初の避難民受け入れ

長崎大に到着後、取材に応じるプラソルさん=長崎市文教町

 ロシアによる侵攻でウクライナから避難してきた研究者プラソル・エブゲニアさん(36)が26日、長崎市に到着。受け入れ先の長崎大で会見し、「長崎に来ることができてうれしく思う」と日本語で語った。ウクライナ避難民の本県受け入れは公式には初めて。就労ビザを取得後、大学職員として働く予定。
 2020年3月まで4年間、同大大学院多文化社会学研究科で日本文学や比較文学を学び、修士課程を修了。ウクライナ中部ドニプロに戻った後、語学教師や翻訳家をしていた。侵攻で仕事を失い、約1カ月後にドイツへ避難。縁のある長崎へ行けないかと、避難学生の受け入れ方針を打ち出した同大へ打診した。
 プラソルさんは「長崎にこんなきっかけで戻るとは思わなかった。長崎大の受け入れをありがたく思う」とあいさつ。母国について「毎日サイレンが鳴り、爆撃を受ける危険がある。残っている母と弟が心配」と語った。同大の国際交流会館に入居し、研究や教育のサポートなどをする。
 同大はこのほか、同日までにウクライナの学生13人の受け入れを決めている。
 河野茂学長は会見で「原爆の惨禍を経験した大学として学び続ける大切さを知っているからこそ、ウクライナ学生の受け入れを決定した。プラソルさんには今後受け入れる学生のサポートもお願いしたい」と述べた。
 大石賢吾知事も同席し、県民が避難民支援のために寄せた義援金から一律5万円を避難民に提供することを明らかにした。第1号がプラソルさんとなる。


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