上野東京ライン川口駅停車いつ…ホーム混雑、増設ビジョン描く市「200億円負担」JR「400億円なら」

川口市、ホーム増設盛り込む 駅周辺ビジョン策定

 埼玉県川口市の奥ノ木信夫市長は26日、「川口駅周辺まちづくりビジョン」を発表した。優先的に取り組むプロジェクトとして、交通拠点リニューアルや公園リノベーション、六間通り線の機能・魅力向上、多目的芸術拠点整備、まちなか再生―の5本を掲げ、最重要課題として「需要にふさわしい鉄道輸送力の増強、中距離電車の停車のためのホーム増設」を盛り込んだ。

 JR川口駅は朝のラッシュ時の混雑が激しいのにホームが1本しかなく、輸送力の増強が大きな課題。特に上野東京ラインなど中距離電車の川口駅停車は市の長年の懸案となっている。

 ホーム増設を巡り、市はこれまで200億円前後の負担を腹案としていたが、JR東日本側が400億円の負担を求める案を市に示し、具体的な交渉は進んでいなかった。ビジョン策定で市は今後、負担軽減も含めてJR側と交渉を進めたいとしている。

 同ビジョンの策定委員会は2021年に設立され、日本大学の中村英夫教授を座長に、東洋大学情報連携学部長の坂村健氏、建築家の隈研吾氏らを常任相談役に据え、川口商工会議所の伊藤光男会頭ら市内商工界代表や市幹部ら25人の検討委員が議論を重ねていた。ビジョンの公表をもって検討作業は終了した。

 市は20年12月の交渉で、奥ノ木信夫市長が市の勉強会へのJR側の参加を要請し、JR東日本本社からも投資計画部の担当部長が参加していた。

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