政府の新型コロナ対策が緩和され、2年ぶりに海外旅行が「解禁」。
ゴールデンウィークには空港が旅行者であふれ、旅行会社には色とりどりのパンフレットが並びます。
きょうのテーマは、『with コロナ時代の HOW TO 海外旅行』。
去年、日本からの海外渡航者は、コロナ禍前の2019年と比べて、なんと、97パーセントも減りました。ビジネス目的を含めても2019年の3%(50万人)ほどしか渡航していないのです。世界中がかなり厳しい出入国規制をしていたからですが、それが今や一気に緩和ムードです。
現在、感染症の危険レベルが1から4まであるうちの「1」となった国や地域が、36か所です。とはいえ、危険レベル「1」ですから、何も考えずに行ってもいいよというわけではないのですが、旅行会社の案内再開の判断基準の1つになっています。国の規制緩和と同時に、海外への渡航をサポートするサービスも増えてきています。
PCR検査を受けた人たち
― どこに行く予定?
「アメリカです。アナハイムのアイスショーを見に行きます。もう本当にひとりでに顔がほころぶぐらい楽しみで、行けるのがうれしい」
「韓国ソウルです。初孫が生まれたから。いろんな難しいことをかまわずに行くつもりです」
ここは、おととし12月に開設された民間のPCR検査センター「Setolabo衛生検査所 広島PCRサテライト」。毎日朝9時から2時間という短い営業期間中に数十人が訪れます。
広島県が実施するPCR検査は無料ですが、ここで、この人たちが求めた検査の費用は2万円。
PCR検査を受けた人たち
「料金的には決して安くはないが、海外渡航用の証明書がいる。その証明書の発行が(検査当日に)できるのが、広島ではここだけなので」
「海外渡航の場合は特にこの検査を受けなければいけない。無料検査では(入国の際に)通らない」
ここで朝、検査を受けると、その日の夕方までには陰性証明書をもらうことが可能です。
スタッフ
「メールで陰性証明書のPDFを(受検者に)送っている」
― どんな人たちが利用?
「海外に帰省する方も多いが、海外旅行前に利用する人もいる」
HIS広島本店 友池大介所長
「コロナ禍でハネムーンに行けなかったハネムーナーが、このタイミングで満を持してではないが、ハワイなどリゾートを中心に出かけようというのが目立つ」
旅行代理店にも久々の活気が戻っています。
HISでは、ツアーを組める国も段階的に増加していて、夏休みの予約客も増えているそうです。
友池大介所長
「以前は国内旅行が100%という状態だったが、最近では海外旅行も徐々に増えてきて、海外旅行が(予約全体の)10%・20%と日に日に増えてきている」
HISでは、来月から21の国と地域への旅のプランが実施されます。中でも人気なのは?
友池大介所長
「人気の場所はやはりハワイが1番。やはりコロナ禍なので、万が一のことを考えると、トラブル対応のためにも日本語が通じることがお客さまにとってメリットになると思う」
そうなんです。コロナ禍の海外旅行のポイントは、「安・金・早」かもしれません。
まず大事なのは、「安心感」。オプションもその視点で選ばれます。
友池大介所長
「今までは(プランに)観光ツアーをセットしたものが主流だったが、現在は帰国時に必要なPCR検査の予約・送迎をセットした商品が増えてきている」
続いて、「金」。久しぶりに行くんですからケチなことは言いません。
友池大介所長
「価格重視というよりはハイクラスなホテル。飛行機の座席についてもビジネスクラス、もしくはプレミアムエコノミーなど上級クラスが人気の傾向」
最後は「早」。今、大切なのは、「早めの準備」です。
友池大介所長
「以前はパスポートだけあれば海外に行けるという状況だったが、今はPCRの陰性証明がいるのかなど細かい条件を確認する必要があるので、情報収集の時間も含めて(予約時期が)少し早くなっているという印象」
HISで聞いた人気のエリア・ベスト3です。
(1位)ハワイ (2位)タイ (3位)ヨーロッパ
with コロナ時代の海外旅行は、これまでと違って、どんな準備が必要なのか、ハワイを例にまとめてみました。
まずは、日本を出発するときに必要なものがこちらです。
(1)出国日当日か前日に受けたPCR検査、または抗原検査の陰性証明書
・出国前に航空会社が確認/アメリカの入国審査で確認
(2)ワクチン接種証明書
・2回目接種から14日以上経過が必須(3回目接種は必須ではない)
・市区町村に「海外渡航用」接種証明書を申請する必要あり
一方、日本への帰国時もハワイで受けた検査の陰性証明書などが必要ですが、帰国後の対策は、来月からかなり緩和される予定です。
来月からの入国規制ですが、各国・地域からのウイルス流入リスクに基づいて世界を3つのグループに分類しています。
□ 帰国時の検査・帰国後の待機期間(6月)
リスクが最も低いグループ(青)
アメリカ・イギリスなど98か国・地域から帰国した場合
⇒3回目ワクチン接種の有無に関わらず免除
次に低いグループ(黄)
99か国地域
⇒3回目接種を終えていれば免除
残るグループ(赤)
4か国・地域
⇒検査・待機措置を継続
海外旅行に行くなんてと思っていましたが、こうやって手順を見てみたら意外に簡単に行けるんですね。日本に来られる海外からの人数の上限も来月から今の倍になるということです。