「セクハラ被害」190人 神奈川県立学校、前年度比6倍 行為者最多は先生49件

神奈川県東庁舎

 神奈川県教育委員会は県立学校でのセクシュアル・ハラスメント被害について、2021年度のアンケート調査結果をまとめた。自身や他の生徒が被害を受けたと答えた生徒は計190人に上り、前年度(32人)の約6倍に達した。県教委は「潜在化していた部分が見えてきた」としている。

 調査対象は県立高校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部の全生徒約12万500人。教員のわいせつ行為による処分が後を絶たないことから調査を21年度から年2回に増やした。前年度から導入したインターネット回答で申告しやすくなったことが件数を押し上げたという。

 内訳は女子106人、男子50人、性別不明34人。被害状況(複数回答)は「自身が受けた」が96人、「他の生徒が受けた」は94人だった。

 自身の被害を訴えた96人のうち、セクハラ行為者は先生49件、生徒28件、部活動指導者1件、他校の生徒などの「その他」18件だった。被害内容(同)は「必要もないのに体を触られた」が最多の42件で、「性的なからかいや冗談などを言われた」が25件と続いた。生徒間の事例としては「携帯電話などで性的なメッセージや画像を送られた」や「性的な関係を求められた」があった。

 生徒の申告を受けて該当校で調査したところ、教員40人を特定し指導。不明だったケースについても各校で注意喚起したという。

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