「危機意識高めるために何が…」 秋田市・下浜羽川町内会の模索

独自に作成した避難経路図を確認する羽川町内会のメンバー=今月16日、下浜地区コミュニティセンター

連載「津波リスクと高齢化」③ 日本海中部地震では秋田市でも3人の死者が出た。このうち、新屋の雄物川河口で津波を受けた釣り船が転覆し、2人が亡くなっている。

 その雄物川河口から南の海岸沿いに位置する秋田市下浜羽川地域。近年高齢化率の上昇が目立つ。

 国勢調査などによると、津波浸水想定エリアと重なり、高齢者が半数以上を占める地区は2015年の2地区から、20年は4地区に増えた。

 下浜羽川地域では、地域内を流れる下浜鮎川を津波が遡上(そじょう)するリスクがあり、住宅地の広い範囲で浸水が想定されている。羽川町内会の大友昭男会長(78)は「若い人が居着かない地域。有事の際にどこまで行動できるか分からないが、常に準備はしておかなければならない」と話す。

 高齢化が進む中、いざという時に各自が助け合いながら迅速な避難ができるようにと、羽川町内会は14年、市のハザードマップを基に独自の避難経路図を作成。町内全戸へ配布した。

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