「頼れる人いない」「ひと時も離れられない」医療的ケア児、母親に負担集中 埼玉県、来年センター開設へ

© 株式会社埼玉新聞社

 日常的に経管栄養や人工呼吸器などが必要な医療的ケア児やその家庭への支援を巡り、埼玉県は今月、医療的ケア児支援センター等在り方検討会議(河村ちひろ委員長)を開催し、1~3月に実施した実態調査の結果を明らかにした。回答のあった18歳未満の医療的ケア児336人のうち、母親が主にケアを担う人が325人で97%を占め、124人(37%)が「他にケアを頼める人がいない」と回答するなど、負担が集中する実態が浮き彫りになった。

 県は医療機関や学校、市町村、福祉施設に協力を依頼して調査を実施し、医療的ケアを必要とする18歳以上の人や医療的ケアを必要としない重症心身障害児者を含む562人から回答を得た。

 医療的ケア児では、複数のケアを必要とする児童が約66%で、日常的に必要なケアは複数回答で、チューブを用いて流動食を投与する「経管栄養」(180人)が最多となり、たんなどの「吸引」(163人)が次に多かった。人工呼吸器を使用している児童も70人いた。

 医療的ケア児のそばをひと時も離れられないとの項目に「当てはまる」「まあ当てはまる」と答えた人の割合は5割を超えた。利用希望があるが利用できないサービスは複数回答で「通学の支援(スクールバスの利用)」が63人で最も多く、県障害者支援課は「医療的ケアに対応していないことが主な理由」と説明した。次に多かったのは「短期入所」で56人が挙げ、利用したいができない人が多くいることが分かった。

 アンケートは「どこに相談したらよいかわからない事案」も尋ね、医療的ケアのある人に対応する医療機関や通学可能な学校についての情報や、相談窓口の一本化などを求める意見が寄せられた。

 県が市町村などを通じて把握している県内の医療的ケア児は約700人。県は今後、さらに2回の検討会議を経て来年1月に支援センター開設を目指している。また、センター開設後も支援について県レベルで協議の場を引き続き設けることを含むスケジュールを委員に示した。