前竹富町長「全てその通り」 町発注工事巡る汚職、起訴内容認め謝罪も 那覇で初公判

 沖縄県竹富町発注の工事を巡る汚職事件で、業者側に入札情報を不正に漏らした見返りに現金計1700万円を受け取るなどしたとして、加重収賄や官製談合防止法違反、公契約関係競売入札妨害の罪に問われた前竹富町長の西大舛高旬被告(74)の初公判が27日、那覇地裁(小野裕信裁判長)で開かれた。西大舛被告は「全てその通りでございます」と起訴内容を認めた。

 西大舛被告に現金を渡したとして、贈賄罪などに問われた下請け業者の男(69)=宮古島市、無職の男(75)=竹富町=も一緒に審理され、いずれも起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、JFEエンジニアリングの下請けをしていた下請け業者の男がJFE社の社員から竹富町の海底送水管更新工事の情報収集を依頼されたと指摘。2015年以降、JFE社の社員らは西大舛被告を繰り返し接待し、入札情報を教えるよう依頼したとした。検察側はその後の証拠調べで、西大舛被告が受け取った現金は自動車の購入代や車検代、飲食代に使ったと説明。謝礼の現金を町長室の机に入れ、飲食代が必要になった時に抜き出していたと述べた。

 被告人質問で西大舛被告は、入札情報を漏らした相手はJFE社だけだったと明かし「JFE社の技術力を竹富町に生かしてもらいたいという気持ちだった」と述べた。一方で、検察側から「最低制限価格で落札し、利益を上げられないと、会社は技術力を発揮できないのではないか」と追及されると「申し訳ありません」と声を絞り出した。

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