女子高生がカフェと間違えて入った場所は…「明るい雰囲気で驚いた」 偶然踏み入れた介護の世界、フリーペーパー作って発信

福祉施設について紹介するフリーペーパーを製作した佐藤怜香さん(右)と竹本有希さん=福井県敦賀市平和町の「幸在宅センターmint」

 若い世代に福祉を身近に感じてもらおうと、福井県立敦賀高校の生徒がこのほど、福祉施設について紹介するフリーペーパーを製作した。実際に施設に行って感じたことや職員へのインタビューなどを伝えている。生徒らは「多くの人に手にとってもらい、福祉に関心を持ってほしい」と期待している。

 製作したのは同校3年の佐藤怜香さん(17)と竹本有希さん(17)。2人が昨年10月にカフェだと思って入った所が、通所介護事業所や訪問介護事業所などが集まる施設で、コーヒーなどの販売もしている「幸在宅センターmint」(敦賀市平和町)だった。「福祉は大変、難しそうというイメージを持つ人が多いと思うが、明るい雰囲気で驚いた」と2人。同世代の福祉に対する印象も変えて関心を持ってもらおうと、フリーペーパーを製作することにした。

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 A4判でフルカラー4ページ。市内のグループホームと小規模多機能型居宅介護事業所で取材した。利用者も職員も笑顔で温かい空間だと感じたことや、介護福祉士や社会福祉士といった資格を持つさまざまな職員がいることを挿絵を添えて紹介。職員へのインタビューでは仕事を始めたきっかけや、やりがいなどについて質問している。

 敦賀高校や市内の中学校などに置いてもらう予定。佐藤さんは「多くの職員さんが楽しさを感じながら働いていてすてきだと思った」、竹本さんは「伝えたいことを文章にするのが難しかった」と振り返った。

 今後も施設の利用者と保育園児や小学生が交流するイベントを開くなどする予定。2人の活動をサポートしている幸在宅センターmintの松浦洋センター長は「福祉業界への若い世代の関心は低い。高校生が自発的に活動してくれてうれしい」と話していた。

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