洗練された手仕事の美 じっくりと 日本伝統工芸中国展30日限り

第65回日本伝統工芸中国展会場で、出品作家の列品解説に聞き入るファンら

 岡山、広島、鳥取、島根4県の工芸家の秀作を集め、岡山市北区表町、天満屋岡山店6階葦川(いせん)会館で開催中の「第65回日本伝統工芸中国展」(日本工芸会、同会中国支部、山陽新聞社主催)の岡山会場は30日まで。28日も多くのファンらが訪れ、洗練された手仕事の美を楽しんでいた。

 入賞・入選作と重要無形文化財保持者(人間国宝)らの計123点を展示。入場者は陶芸のモダンなデザインに見入ったり、優しい色合いの染織の手間暇に思いをはせたり、気に入った作品の前で足を止めてじっくりと鑑賞していた。

 会場では連日列品解説があり、この日は漆芸家塩津容子さんらが出品作に用いられた高度な技を紹介した。瀬戸内市の介護士(43)は「備前焼を見に来たが、漆芸の繊細な技を知り興味が湧いた。大作からは地元作家の本気が伝わってきます」と感心していた。

 入場無料。29、30日も午前11時、午後2時から列品解説がある。支部会員の小品を展示即売する「くらしの中の伝統工芸展」も併催。

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