都城市内の地域住民らでつくる市民団体「むじっこみまもりたい」(末永陽子代表)が、家計が苦しいと感じている子育て世帯に毎月1回、無償で食品などを届ける子ども宅食に取り組む活動を広げている。宅食を糸口に、子どもたちの困り事に寄り添おうと、市内のさまざまな団体にも支援や相談をつなげていく。
地域でもともとボランティアをしていた末永代表らが同団体を立ち上げ、国の「支援対象児童等見守り強化事業」の採択を受けて昨年10月からスタートした。現在は高城、山之口、姫城エリアなど約30世帯、約90人の子どもたちに配達するほか、現在も対応エリアを少しずつ広げている。
市内各地の企業や個人から定期的に食品や野菜などの提供を受けるほか、個人や団体から受けた寄付も運営に活用している。
5月中旬、高城エリアでは末永代表(69)や同エリアの責任者が、コメや菓子、加工品やトイレットペーパーなどを仕分けて梱包し、7世帯に届けた。受け取った40代女性は「毎月届くのが楽しみ。野菜など値上がりしているので、本当に助かっている。気軽に相談もできるのでとても心強い」と笑顔を見せていた。
また、宅食を入り口に、福祉や教育などの市民団体や地域・子ども食堂とも連携して、学習支援や孤立防止にもつなげている。
団体名の「むじっこ」は都城弁で「かわいい子」を意味する。末永代表は「コロナ禍で親の仕事先が不安定になったなど家庭の経済的な状況が深刻化しているところもあるようだ。地域の宝である子どもたちの笑顔と権利を守るため、長期的にサポートしていきたい」と話していた。
同事務局(相愛保育園内担当・高木朝さん)(電話)0986(25)1879。
子どもの笑顔 守りたい 宅食入り口、活動広げる
- Published
- 2022/05/28 19:25 (JST)
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