中国民間シンクタンク、北東アジアの安全保障巡る討論会開催

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中国民間シンクタンク、北東アジアの安全保障巡る討論会開催

25日、討論会に参加した前駐日中国大使で中日友好協会常務副会長の程永華氏。(北京=新華社配信)

 【新華社北京5月28日】中国の民間シンクタンク、太和智庫諮詢(北京)は25日、中国、日本、ロシアの専門家を招き、「大国間競争時代における北東アジアの安全保障と平和」をテーマにオンライン討論会を開いた。「ロシアとウクライナの衝突が北東アジアの安全保障情勢に与える影響」と「中米競争の中で北東アジアの新冷戦をいかにして回避するか」を巡り、踏み込んだ議論を交わした。

 前駐日中国大使で中日友好協会常務副会長の程永華(てい・えいか)氏は、国際秩序、特に北東アジアの秩序に深い変革が生じている中、関係各国が①対話を通じた相互信頼の増進②正しい安全保障概念の堅持③協力と発展による安全保障の促進-の三つの方面から着手し、北東アジアの平和と安全保障を確保する必要があると指摘した。

中国民間シンクタンク、北東アジアの安全保障巡る討論会開催

25日、討論会に参加した日本の元外務省国際情報局長で東アジア共同体研究所所長の孫崎享氏。(北京=新華社配信)

 日本の元外務省国際情報局長で東アジア共同体研究所所長の孫崎享氏は、ロシアとウクライナの衝突が突発した原因の一つは、北大西洋条約機構(NATO)のウクライナへの拡大にあるとの考えを示した。米国とNATOが1990年以降の戦略を継続せずNATOがウクライナへ東方拡大することはないと約束していれば、ロシアとウクライナの衝突は避けられたはずだが、米国とNATOはこの路線を選ばず、反対にウクライナに軍事援助を提供したと指摘。米国の約束に背く行為は同様に中米関係でも見られ、中米関係の重要な土台は中国台湾地区の問題に関する共通認識だが、現状から見て米国政府は今後もこの共通認識を顧みず「台湾独立」勢力を引き続き放任し支援していく可能性が高いとの認識を示した。

中国民間シンクタンク、北東アジアの安全保障巡る討論会開催

25日、討論会に参加したロシアの第5期国家院(下院)宗教・社会団体委員会のミハイル・マルゲロフ副委員長。(北京=新華社配信)

 ロシアの第5期国家院(下院)宗教・社会団体委員会のミハイル・マルゲロフ副委員長は、米国が北東アジア情勢への介入と挑発を強めようとしているが、そうした行為は北東アジアひいては全世界に危険をもたらすと述べた。米国はウクライナに大量の武器を供与する一方、台湾にも絶え間なく武器を送っており、荒稼ぎできると考えた場所でもめ事を引き起こし、その後、冷戦時代の手法で関係国を抑え込もうとしていると指摘。現在の米国は冷戦と熱戦の手法を併用して対立と衝突を激化させ、そこから利益を得ようとしているとの見方を示した。

 討論会にはこのほか、同志社大学法学部教授で国際安全保障学会会員の浅野亮氏、清華大学ロシア研究院副院長で清華大学国際関係学部終身教授の呉大輝(ご・だいき)氏、ロシア外務省付属外交アカデミー元副院長のアレクサンドル・ルキン氏、青山学院大学名誉教授で同大グローバル国際関係研究所所長の羽場久美子氏らも参加した。

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25日、討論会に参加した同志社大学法学部教授で国際安全保障学会会員の浅野亮氏。(北京=新華社配信)

中国民間シンクタンク、北東アジアの安全保障巡る討論会開催

25日、討論会に参加した青山学院大学名誉教授で同大グローバル国際関係研究所所長の羽場久美子氏。(北京=新華社配信)

中国民間シンクタンク、北東アジアの安全保障巡る討論会開催

25日、討論会に参加した清華大学ロシア研究院副院長で清華大学国際関係学部終身教授の呉大輝氏。(北京=新華社配信)

中国民間シンクタンク、北東アジアの安全保障巡る討論会開催

25日、討論会に参加したロシア外務省付属外交アカデミー元副院長のアレクサンドル・ルキン氏。(北京=新華社配信)