2005年、CL優勝したリヴァプールの「伝説スタメン」覚えてる?

2004-05シーズンにUEFAチャンピオンズリーグの決勝を戦い、ACミランを相手にPK戦の末勝利を収めたリヴァプール。0-3となってから同点に追いついた劇的な展開で、「イスタンブールの奇跡」と呼ばれている。

今回はその2005年に行われた伝説の試合におけるリヴァプールのスターティングメンバーを振り返ってみよう。

GK:イェルジー・ドゥデク

現在:レーシングドライバーなど

PK戦においての奇妙なダンスが話題になったポーランド代表GK。かつての名守護神グロベラーに習ったクネクネした独特の動き「スパゲッティレッグ」でミランの名選手たちのリズムを狂わせ、3つのPKを失敗させた。

サッカーから引退した後はモータースポーツのドライバーとしても活動するなど多方面に活躍している。

CB:サミ・ヒーピア

現在:指導者

パワフルなプレーで知られたフィンランド代表のセンターバック。子供の頃からファンだったというリヴァプールに加入し、2009年まで長くチームを支えた。

引退後は指導者となっており、フィンランド代表のアシスタントコーチを経てレヴァークーゼン、ブライトン、チューリッヒで監督を務め、2020年には母国でハカのアシスタントをしていた。

CB:ジェイミー・キャラガー

現在:解説者

スティーヴン・ジェラードとならぶ2000年代のリヴァプールレジェンド。サイドバックやセンターバックなど様々なポジションをこなし、精神的支柱の一人としても長く活躍。クラブ一筋にプレーして2013年に現役引退した。

その後はもちろんご存知のように解説者としてメディアで活躍。ギャリー・ネヴィルやポール・スコールズらとともに辛口でユーモアある英国のエースコメンテーターである。

右SB:スティーヴ・フィナン

現在:不動産業

アイルランド出身の名サイドバック。派手な選手ではなかったものの、攻撃的でアグレッシブなプレーを得意とし、正確なクロスボールで多くのチャンスを作った。

2008年にリヴァプールを離れたあとはエスパニョール、ポーツマスでプレーして引退。その後はロンドンに在住し、不動産開発会社で勤務している。普通の企業人であるため、出張などの都合でレジェンドマッチにも参加できないそう。

左SB:ジミー・トラオレ

現在:指導者

フランスの下部リーグでデビューしたあと、19歳でリヴァプールに引き抜かれたマリ人選手。プレーがやや不安定だったために批判を受けることも多かったが、2006年まで88試合に出場し、ヨン・アーネ・リーセのバックアップとしても役割を果たした。

キャリアの晩年には米国に渡ってシアトル・サウンダーズで現役引退。そのまま同クラブで指導者に転身し、リザーブチームとトップチームでアシスタントコーチを務めていた。

MF:シャビ・アロンソ

現在:レアル・ソシエダB監督

2000年代から2010年代前半にかけて世界最高のプレーメーカーとなっていたシャビ・アロンソ。レアル・ソシエダから2004年にリヴァプールへと加入し、その繊細な技術やキックで試合をコントロールした。

2009年にレアル・マドリーへと移籍し、その後バイエルン・ミュンヘンへ。2017年に現役引退して指導者となり、レアル・マドリーのU-14を指揮したあとに故郷へ戻り、今はレアル・ソシエダのリザーブで監督を務めている。

MF:スティーヴン・ジェラード

現在:アストン・ヴィラ監督

言わずと知れたリヴァプールの大レジェンドで、この年代のサッカーにおいて最強のセンターハーフ。このミラン戦では54分に反撃の狼煙をあげるゴールを決め、マン・オブ・ザ・マッチに輝いている。

2015年に退団した後はアメリカのLAギャラクシーでプレーして引退。リヴァプールのリザーブチームで監督を務めた後、グラスゴー・レンジャーズでプロチームを初めて指揮して結果を残し、今季はアストン・ヴィラに招聘されている。

MF:ルイス・ガルシア

現在:解説者

このときリヴァプールの「10番」を着用していたスペイン人の攻撃的MF。2004年夏にアトレティコ・マドリーから加入し、このシーズンは主力として目覚ましい活躍を見せた。

前十字靭帯断裂の大怪我を負ったこともあって2007年にアトレティコ・マドリーへと復帰し、それからはラシン・サンタンデールを経てギリシャ、メキシコ、インド、オーストラリアを渡り歩いた。現在はESPNの解説者。

MF:ヨン・アーネ・リーセ

現在:アヴァルズネス監督

2001年にモナコから加入したノルウェー代表のレフティ。キャノン砲のような弾丸キックを武器にしていたパワフルな選手で、サイドバックとサイドハーフの両面で活躍した。ちなみにこの試合のPK戦ではリヴァプールで唯一の失敗を記録。

引退後はスポーツディレクターとしてマルタの名門ビルキルカラで活動。後に監督に転身し、ノルウェーの下部リーグからキャリアをスタート。現在はノルウェー女子トップリーグのアバルズネスで監督。

MF:ハリー・キューウェル

現在:指導者

リーズ・ユナイテッドで長くプレーしたオーストラリアの名ウインガー。怪我に苦しめられた印象が強い選手で、この決勝戦でもわずか23分でプレー続行が不可能になり、ウラジーミル・シュミツェルに代えられている。

2015年に引退したあとはイングランドに戻ってワトフォードのU-21でヘッドコーチに。その後クローリー・タウン、ノッツ・カウンティ、オールダム・アスレティック、バーネットで指揮したものの、監督としてはあまり結果が出ておらず現在はフリーエージェント。

FW:ミラン・バロシュ

現在:アマチュア選手

チェコ代表の名ストライカー。バニク・オストラヴァでブレイクしたあと、2002年にリヴァプールへと加入して4シーズン戦った。ジブリル・シセの腓骨骨折、モリエンテスのカップタイドの影響でこの試合ではスタメン出場している。

ちなみに、この大会の優勝トロフィーを落として凹ませたのはこのバロシュだと言われている。2020年に慢性的な怪我のために現役を引退したが、自身の古巣でもあるアマチュアのFKヴィガンティツェで今もプレーを続けている。

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