マルク・マルケス、4度目の手術に「上腕骨の動きが思うようにいかない」担当医師「リハビリでの回復があまり見られない」

 5月28日、MotoGPに参戦しているレプソル・ホンダ・チームはMotoGP第8戦イタリアGPの予選後に緊急で記者会見を開き、マルク・マルケスが4度目となる右上腕骨の手術を5月31日にアメリカのミネソタ州で受けると発表した。それにあたり、マルケスと担当医師がコメントを発表している。

 マルケスは、2020年7月19日に開催されたMotoGP第2戦スペインGPの決勝の際に、3コーナーでハイサイドを喫して、マシンが右腕に当たったことで右上腕骨を骨折した。

 骨折から2日後の7月21日に骨折部を固定する手術を受けたが、思うように回復しなかったため、8月3日に2度目の追加手術でプレートを交換した。その後はリハビリ期間に入りレースを欠場したが、骨の再生が止まる偽関節となり12月3日に3度目の手術を受けた。

復帰後初の優勝を遂げたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP

 その後は順調に回復し、2021年の第3戦ポルトガルGPで復帰して、2021年シーズンは3度の優勝を飾った。以降は路面に頭を打ち複視などを患ったり、今大会も大きな転倒を喫したが、それとは別で、2020年に骨折した右上腕骨の調子が良くないことから、4度目となる右腕の手術を18カ月ぶりに受けることとなった。

 ここ数ヵ月は回復が感じられず、思うように上腕が使えないことで、パフォーマンスを100%出し切れずに苦戦していたというマルケス。数々の専門家と本人の医療チームで手術を受けるべきかどうかを検証し、5月31日にアメリカのミネソタ州ロチェスターにあるマヨ・クリニックに向かい、そこで手術を受けることを決めた。

 手術後の回復期間を終えたらスペインに戻り、リハビリに徹して、医師が回復具合を見てリハビリ期間を判断することになるという。

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2022MotoGP第8戦イタリアGP

■マルク・マルケス
「残念ながら、2022シーズンを一旦休むことになった。マドリードの医療チームと頑張った数カ月間、フィジカル的には回復してきたし、右腕の違和感がなくなり、レースに出ることはできたが、上腕骨の動きが思うようにいかず、バイクにしっかりと乗り、自分が設定した目標を達成できなかった」

「このため、自分の医療チーム、サミュエル・アンツーニュア医師およびアンゲル・コトッロ医師、そしてマヨ・クリニックのスペシャリストと相談した結果、正しいポジションでバイクに乗り、現在ある可動部の限界をなくすために新たに手術をすることに決めた。個人的には、モチベーションも気力もMAXで、トップレベルで戦えるように体調を整えることに全力を尽くす。いつもサポートしてくれている家族、最も信頼を置いている人たち、レプソル・ホンダ・チーム、医療チーム、そして誰よりもいい時も悪い時も支えてくれているファンの皆様に感謝しているよ」

■サンチェス・ソテロ医師
「リハビリでの回復があまり見られないなか、また医療チームのアドバイスを受けて、マルケスは新たにアメリカのマヨ・クリニックで、動きがままならない右腕の違和感を緩和するために手術を受けることとなった。内容としては、上腕骨を切り、骨接合部を肩から取り除き、腕と肩の回転性を高め、肩の安定性を高める手術になる」

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