「県警対応は不十分」 河野国家公安委員長 ヘイトデモ暴行、陳謝

 右派政治団体が川崎市内で行った街宣活動で、ヘイトスピーチ(差別扇動表現)に抗議をした男性が街宣参加者から暴行を受けた事件で、河野太郎国家公安委員長は5日、「警察の対応が十分ではなかった。おわびしなければならない」と陳謝した。

 参院法務委員会で西田昌司(自民)、有田芳生(民進)の両議員らの質問に答えた。

 事件は3月20日、JR川崎駅前で行われた「維新政党・新風」の街宣中、参加者十数人がヘイトスピーチに抗議の声を上げた都内の男性に襲いかかり、顔などを殴ってけがをさせたもの。県警は同月末、右翼団体構成員4人を傷害の疑いで逮捕した。

 警備の警察官が目の前にいたにもかかわらず未然に防げず、現行犯逮捕しなかった理由をただされた河野氏は対応に問題があったことを認めた上で、「デモ参加者や周辺の人々の安全確保に、警察として万全を期さなければならない。ヘイトスピーチに対してはあらゆる法令を適用し、厳正に対応するよう指導する」と述べた。

 また、3月27日に東京・新宿でヘイトデモに抗議していた複数の女性が警備の警察官に突き飛ばされたり、首を絞められたりしたと訴えている問題についても、河野氏は「警備に行き過ぎた点があったとしたら誠に申し訳ない。適切になるよう指導したい」と謝罪した。

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