鎌倉の「旧大佛次郎茶亭」再生へ 有志の保存会購入

大規模改修が進む旧大佛次郎茶亭=鎌倉市雪ノ下1丁目

 横浜ゆかりの作家大佛(おさらぎ)次郎(1897~1973年)が鎌倉文士らとの交流で使っていた「旧大佛次郎茶亭」(鎌倉市雪ノ下1丁目)が新たな所有者の下、保存・再生されることが分かった。元の所有者による維持管理が難しくなり3年前に売却が決まり、有志が設立した一般社団法人が昨年購入にこぎ着けた。大規模改修が始まり、今後の活用策の模索が進められている。

 建物は大佛の没後、養女の野尻政子さん(93)らが管理してきた。ただ親族が高齢になったことや、維持管理費が負担になってきたため、「建物を保存してくれる方に売却するほか道はない」とし2019年春、売却の方針が決まった。

 その後、21年2月に鎌倉に地縁のある県内の女性が手を挙げた。女性は大佛文学の愛好者で、旧茶亭を管理するため「一般社団法人大佛次郎文学保存会」を設立。同保存会が買い受けた。

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