栃木県内ロケ 27%回復 21年度 県フィルムコミッション、相談件数は年々右肩上がり

県フィルムコミッション支援実績

 映画、ドラマなどの県内ロケを支援する県フィルムコミッション(FC)事業で県観光交流課は28日までに、2021年度の実績を発表した。撮影件数は前年度と比べ27.9%増の55件、撮影隊の宿泊代や弁当代など直接的な経済効果が19.2%増の6951万2千円だった。いずれも前年度を上回ったが、新型コロナウイルス禍の影響を本格的に受ける前の19年度実績には届いていない。制作会社などからの相談件数は年々増えており、いかに誘致につなげるかが課題といえそうだ。

 撮影件数の内訳はドラマが25件と最も多く、映画12件、情報・バラエティー番組6件、CM2件など。NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」では、大田原市の旧須賀川小がヒロインたちの小中学校として使用された。TBSのドラマ「ドラゴン桜」では、茨城県鉾田市にある県とちぎ海浜自然の家が登場。映画「死刑にいたる病」の撮影は、県庁や宇都宮市のオリオンスクエアなどで行われた。

 直接的な経済効果は、撮影作品に左右されるところが大きい。過去最高の2億8千万円超だった19年度はNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」が寄与した。21年度は撮影日数や人数の多い大規模ロケが少なく、コロナ対策でスタッフ数を絞ったり、日帰りでの撮影に臨んだりするケースが目立ったという。

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