「下北線路街」いよいよ全面開業 東京・世田谷区の線路跡地

東京・世田谷区の下北沢駅周辺の線路跡地を活用した「下北線路街」が2年半の工事期間を経て、ついに全面開業を迎えます。

下北線路街は小田急線の下北沢駅や線路の地下化によってできた、地上部の跡地を活用した開発プロジェクトです。2019年から小田急電鉄がおよそ1.7キロにわたって整備を進めてきたもので、13の施設が全て完成し、いよいよ5月28日に全面開業します。一足早く、前日にはお披露目会が開かれ、世田谷区の保坂区長も「ゆっくりと多くの人が行き交い、街をさらに発展させていくスタートができた」と、街の発展に期待を寄せました。

下北線路街の特徴はふんだんな緑地スペースです。下北沢に足りないといわれてきた緑とさまざまな場所で親しむことができます。「ののこや」は地域の緑を守る拠点として、下北線路街の自然の管理だけでなく地域の人と緑をつなげるための活動の拠点となります。運営する「シモキタ園芸部」はワークショップなどを行うほか、地元で取れた蜂蜜「シモキタハニー」の販売も行います。シモキタ園芸部の関橋知己代表理事は「咲く花が変われば蜂蜜の味も変わる。その時その時で一期一会の蜂蜜を味わえる。下北沢の街にはほとんど農薬がないので、かえって安全な蜂蜜になっている」と語ります。

下北線路街は「支援型開発」を掲げ、若者や新しいことに挑戦する人や街の暮らしを支援します。商店街には住居と店舗が一体となった、新たなチャレンジに取り組む店も並びます。さらに、エリア内には都会の騒がしさを忘れられる温泉旅館まで配置され、線路の跡地は個性豊かな街に変貌しました。

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