有力公示日まで1カ月切る 本番へ機運高まる 各党幹部ら相次ぎ来崎 2022参院選長崎

支持者と握手する立候補予定者(左)=長崎市内

 参院選は、有力公示日の6月22日まで1カ月を切り、長崎県内でも各立候補予定者の動きが慌ただしさを増してきた。週末の28、29両日は各党幹部らが相次いで来崎するなど本番へ向け機運が高まっている。
 28日、長崎市中心部の鉄橋。自民党の茂木敏充幹事長は新人の山本啓介氏(46)の応援でマイクを握った。防衛強化や新型コロナウイルス禍からの景気回復を図るため「政権の安定が必要」と主張。長崎選挙区を含む1人区が勝敗の鍵を握るとし、「山本氏は必ず長崎の発展のために頑張れる人材。国政に送り出して」と必勝を呼びかけた。山本氏は「(当選した場合)6年間しっかり地域に目を向け、皆さんのために尽くす」と約束。茂木幹事長と一緒にアーケードを練り歩き、市民に支持を訴えた。
 日本維新の会新人の山田真美氏(50)は28日、長崎市内であった党県総支部設立大会で、造船業への支援や国境離島での燃料の税軽減などを盛り込んだ「長崎維新八策」を公約として発表。党員約50人を前に「女性が活躍しやすい社会づくりのため、一生懸命頑張る」と決意を述べた。総支部代表に就いた井上英孝衆院議員(大阪1区)は、参院選を足掛かりに県内で党勢拡大を目指すと強調。来年の統一地方選もにらみ「長崎から1人でも多くの国会議員、地方議員を誕生させたい」と力を込めた。
 立憲民主党新人の白川鮎美氏(42)は29日、ようやく支援態勢が整った。連合長崎など労働4団体と立民、国民民主、社民の各党県連でつくる選挙協力の枠組み「7団体懇話会(7者懇)」は長崎市内で意見交換会を開き、勝利へ一丸となることを確認した。白川陣営は15日に総合選対を立ち上げたが、国民県連の方針決定が22日にずれ込み、選対役員名簿は埋まっていなかった。意見交換会で白川氏は「皆さんの代表として立たせていただくことに心から感謝したい」と述べ、決意を新たにした。
 共産党新人の安江綾子氏(45)は29日、長崎市の鉄橋で街頭演説。ロシアのウクライナ侵攻を背景に与野党の一部が、米国の核兵器を日本に配備し共同運用する「核共有」の議論を求めているのを「絶対に許せない」と批判。「世界に向けて核廃絶の声を上げることが戦争被爆国の役割ではないか。(戦争放棄などを定めた)憲法9条を守れとの声を必ず国政へと届ける」と訴えた。山下芳生党副委員長も応援に駆け付け、「戦争が起きないよう尽力することこそが政治の役割だ」と訴えた。
 NHK党の新人、大熊和人氏(52)も立候補を予定。ほかにも出馬の動きがある。


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