花園アウトレット今秋オープン 隣の「深谷テラス」は一足早く開業 “引っこ抜き”に大きな拍手

施設で育てたカブを引き抜いてオープンを祝う参加者=29日、深谷市黒田の「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」

 埼玉県深谷市黒田にキユーピー(本社・東京都渋谷区)の複合型施設として、野菜の収穫ができる体験農園、マルシェやレストランを備えた「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」が29日オープンした。野菜の体験施設らしく、同施設で育てた野菜を収穫する“引っこ抜き”をして開業を祝った。

 オープニングセレモニーでキユーピーの高宮満社長執行役員は「一人でも多くの皆さんに野菜を通じておいしさ、笑顔をお届けしたい」とあいさつ。同市の小島進市長も「キユーピーを中心に深谷の農業をさらに発展させたい」と話した。

 野菜の“引っこ抜き”はテープカットの替わり。引き抜いた野菜は赤色と白色のカブで、深谷市や近隣の子ども15人も参加した。司会者が「せーの」と合図を送った後、元気よく「よいしょ」とかけ声をかけながら麻袋の中から引き抜いた。カブを高々と掲げると、会場は大きな拍手に包まれた。

 この後、セレモニーに出席した子どもが田植えを体験した。深谷市の4年生加藤希々(のの)さんは、2回目の田植えで「いい稲に育ってほしい」と成長が待ち遠しそう。ズッキーニの収穫体験をした同じく深谷市の3年生小見朝陽さんと5年生の高野莉桜さんも「もっと引っこ抜きたい」と楽しそうだった。

 複合型施設は、深谷市が農業と観光の振興を目的の一つに進めている「花園インターチェンジ(IC)拠点整備プロジェクト」の一環として公共ゾーンに整備。敷地面積は約1万7600平方メートルで、年間30万人の来場者を目指す。深谷ベジタブルコミュニケーションが運営する。同プロジェクトの核となるアウトレットモールは、今年秋の開業を目指し工事が進んでいる。

© 株式会社埼玉新聞社