箱根でクラシック音楽祭 8月初開催、古楽器演奏やコンテンポラリーダンスも

「箱根おんがくの森2022」を企画している布施さん=箱根町湯本

 神奈川県西地域出身の若手音楽家らが今夏、3日間のクラシック音楽祭「箱根おんがくの森2022」を初開催する。箱根町の自然に囲まれた屋内外の会場で、古楽器を使った演奏やダンス、演劇パフォーマンスを組み合わせた独自の演目などを、約30人のアーティストが披露する。若手音楽家らは「目新しい音楽に触れる機会がなかった人や、地元住民にも楽しんでもらいたい」と斬新な試みの準備に力が入る。

 音楽祭は8月5~7日、コンサートホール「箱根湖尻アートビレッジ」(同町元箱根)など3会場を複合的に使い、12公演が行われる。第1次世界大戦下で生まれた舞台作品「兵士の物語」を箱根風にアレンジしてコンテンポラリーダンスで表現する演目や、木々の音が重なり合う屋外で生まれる音を楽しむ「森の小劇場」、古楽器奏者らで演奏するバッハ作品など見どころ満載だ。

 アートディレクターを務める布施砂丘彦さん(25)は、湯河原町出身のコントラバス奏者。東京芸術大学卒業後、自らもかつて所属していた小田原市のジュニアオーケストラ講師などを務める中で、「県西地域で本格的なクラシックや、新しい音楽を聴く機会が少ない」ことに問題意識を抱いていたという。

 音楽祭の構想を練り始めたのは約2年前。芸大の同級生で横浜シンフォニエッタのバイオリン奏者・大光嘉理人さんや、川崎市出身のアートマネジャー篠原美奈さんら20代の4人で「県西を盛り上げたい」思いを胸に、箱根ならではの企画を磨き上げてきた。

 布施さんは「コンサート会場が少なく、生演奏に触れる機会が少なかった子どもや地元の人たち、自然の安らぎを求めて町を訪れる観光客にも楽しんでほしい」と呼びかけている。

 各公演は無料~4千円、6月上旬ごろからチケット販売予定。問い合わせは、同音楽祭の実行委員会(メール hakone.ongakunomori@gmail.com)へ。

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