ラルフ・ラングニック氏がコンサルタントに就任しないことが発表され、来季はアヤックスからやってくるエリク・テン・ハフ新監督が権限を持つ体制になることが決まったマンチェスター・ユナイテッド。
今回はそのエリク・テン・ハフ監督が頭を悩ませることになりそうな5人の選手を『thefootballfaithful』からご紹介する。
ダビド・デ・ヘア
デ・ヘアはマンチェスター・ユナイテッドで記録的な数の年間最優秀選手賞を獲得したゴールキーパーだ。類まれなショットストップの能力は今も世界トップレベルであり、守備の欠陥があってもそれをカバーしてしまう反射神経を備えている。今季も「クラブで最も素晴らしかった選手」として選ばれる可能性もある。
ただ問題は、エリク・テン・ハフ監督はより積極的で支配的な試合をしようとするだろうし、その際にデ・ヘアのスタイルが足を引っ張る可能性があることだ。というより、それはラングニック体制でも明らかになっているものでもある。
ゴールラインから離れることを嫌うデ・ヘアはクラシカルなキーパーであり、現代的にラインを高めていくサッカーには極めて合わない。また足元のテクニックも決して高くはない。彼に見切りをつけるのかどうか、テン・ハフにとっては頭が痛いことだ。
ハリー・マグワイア
ハリー・マグワイアのような問題を解決する方法はあるのだろうか。彼は記録的な移籍金によってレスターから獲得された選手であり、しかもキャプテンを任されている。しかしながらパフォーマンスは説得力を持っておらず、自信を失っているように見える。
イングランド代表にも定期的に呼ばれているにもかかわらず、ピッチで見せているものはマンチェスター・ユナイテッドを勝利に導くほどのものではなく、ドレッシングルームで亀裂が起こっているという報道も絶えない。
また、高いラインでプレーしようとすればマグワイアの機動力不足は足かせになりかねない。テン・ハフ監督はアヤックスからユリエン・ティンベルを獲得しようとしており、それが成功したら「8000万ポンドのDF」マグワイアが弾かれる可能性も。
ブルーノ・フェルナンデス
2020-21シーズンの英雄であるブルーノ・フェルナンデスであるが、休息の不足からなのか今季の途中にフォームを崩してしまい、かつて見せていたような支配力を失っている。
4月に長期契約を結び、2026年までマンチェスター・ユナイテッドに残ることを約束した。プロジェクトの中心になるはずだった彼は、今季パスの出しどころを探しながらイライラしていたように見えた。
彼がテン・ハフの戦術に適合するかどうかはわからないが、ブルーノ・フェルナンデスはいわゆる「10番」で、自由にサッカーを任されたときに力を発揮できるタイプだ。オランダ流のポゼッションサッカーに果たしてフィットするのだろうか。
マーカス・ラッシュフォード
ラッシュフォードほど急激な落ち込みを見せた選手はほとんどいない。2019-20、2020-21で公式戦20ゴール以上を決めた選手だが、今季はわずか5点しか決めていない。
まだ24歳であるが、マンチェスター・ユナイテッドでの出場数は300試合を越えた。それだけの経験を持っているにもかかわらず、そのフィニッシュワークと意思決定はまだ不安定であり、精神面でも揺らぎやすいように見える。
来季もチームに残るのであれば、彼にとっては決定的なシーズンになるだろう。センターフォワードとして生きるか、あるいはウイングを選ぶのか、ポジション面でも今後の進み方を決めなければならない。
クリスティアーノ・ロナウド
クリスティアーノ・ロナウドの個人の輝きは、今季のマンチェスター・ユナイテッドをなんとか上位に食い込ませた。チャンピオンズリーグでも彼のゴールがなければどうなっていたか。テン・ハフ監督も彼と働けることに興奮していると語っていた。
とはいえ、新しい時代のサッカーに対してクリスティアーノ・ロナウドがどのように対応していくかという点については、まだまだ未知数と言わざるを得ない。38歳になった世界最高のストライカーは、すでに自分のスタイルを容易に変えることができない。
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彼の存在が周りの人々を萎縮させているという評論もあるなかで、ロナウドはどのように振る舞っていくのか。もし出場機会が減少したら、彼はそれに満足できるのだろうか?