是正指示「仕組み乱用」 辺野古設計変更 県、係争委申し出

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、県は30日、沖縄防衛局の設計変更申請を承認するよう求めた斉藤鉄夫国交相の是正指示を不服とし、国地方係争処理委員会に審査を申し出た。

 県は9日、設計変更申請に対する県の不承認処分を取り消した国交相裁決に対しても係争委に申し出ている。設計変更を巡り、係争委に2件申し出されたことになる。

 玉城デニー知事が30日、県庁内で会見し、是正指示への審査申し出を発表した。玉城知事は会見で県の不承認処分の正当性を主張し「国交相から承認せよと是正指示を受けるいわれはない」と強調した。是正指示が不承認処分の取り消しと連動している点を指摘し「仕組みを乱用したもので違法だ」と訴えた。

 沖縄防衛局は2020年4月、埋め立て予定地の軟弱地盤改良工事に必要な設計変更を県に申請した。県は21年11月に地盤や環境調査の不備を指摘して不承認にした。

 これに対し、国交相は県の不承認処分を「違法」とした上で、5月16日までに申請を承認するよう法的拘束力がある是正指示を出した。県は16日、是正指示に応じず、係争委に申し出る方針を表明していた。(塚崎昇平)

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