「安中貨物」の終点 安中駅貨車入れ換え見学ガイド

こんにちは!! 鉄道博士だよ!!

福島県の福島臨海鉄道・小名浜駅と、群馬県のJR信越本線・安中駅を毎日1往復する、亜鉛焼鉱を輸送する貨物列車 通称「安中貨物」は、コンテナ貨物列車が主流になった2022年では珍しくなった「車扱(しゃあつかい)貨物」列車です。この記事では、貨車の入れ換えの見学を行うのに適している日の長い季節になったことから、効率の良い見学のポイントを指南してゆきます。

信越本線 下り普通列車 211系A28編成(1編成しかない「矢絣柄」)## 安中へ早めに移動しよう!!

下り「安中貨物」(5097レ)が安中駅に到着するのは17:07です。高崎16:43発 安中16:55着の普通列車に乗っても、貨車の入れ換えの見学には間に合うのですが、できれば1本前の列車(高崎15:52発 安中16:04着)に乗車することをお勧めします。この列車に乗って安中駅に到着すると、スイッチャーが車庫から出てくるシーンを撮影することができるからです。

安中駅に到着する列車の車内からの前面展望

安中駅を発車する横川行き普通列車## スイッチャーが出てくる!!

東邦亜鉛株式会社 安中製錬所

安中駅3番線からは、南側に東邦亜鉛株式会社 安中製錬所の建屋が見えます。山の斜面にたくさんの建屋があります。安中駅に隣接した場所に製錬所を設けたのは、近隣の水力発電所で発電された電力を利用でき、労働力確保が容易であったからだと、私は以前、安中製錬所に勤務する同社社員さんに伺いました。

スイッチャーは、入れ換えに使用しない時には、白い建屋内に留置されています。

入れ換えの作業員らしき方が屋外に出てきました。

引込線の急勾配に注目!!

白い建屋から出てきたスイッチャー・DB301

しばらく待っていると、白い建屋の手動扉が開けられ、スイッチャー・DB301が出てきました。

一旦停止するDB301

スイッチャーは、一旦、この位置で停止し、次の横川行き普通列車が安中駅を出発するまで待機します。

安中16:55発 横川行き 下り普通列車(211系A59編成)

安中16:55発 横川行き 下り普通列車が出発すると、貨車入れ換えの準備が進みます。

「安中貨物」到着!!

東邦亜鉛の作業員さん

東邦亜鉛の作業員さん2名が、建屋の前で待機します。

安中駅に入線する下り「安中貨物」(5097レ)

17:07に、安中行きの下り「安中貨物」(東邦亜鉛社内の呼称は「東邦号」・5097レ)が安中駅3番線の隣の線路に到着します。

安中駅に到着した下り「安中貨物」(5097レ)

列車はここで停止し、電気機関車EH500は貨車と切り離されます。

入れ換え開始!!

タキと切り離されたEH500

以前は、タキだけでなく、トキも連結されていた「安中貨物」ですが、2022年5月現在、「亜鉛焼鉱」のみの輸送となっており、貨車はタキのみです。切り離されたEH500は、機回しを行います。

一旦、磯部寄りの陸橋の下に移動するEH500

貨車入れ換えを行うスイッチャー(左)と、EH500

待機していたスイッチャーは、EH500が移動すると、貨車に近づきます。

タキに接近するスイッチャー

スイッチャーも、進行方向のヘッドライトを点灯します。

タキと連結するスイッチャー

タキ2両を牽引するスイッチャー

安中駅に到着したタキは、2両ごとに分割され、スイッチャーで安中製錬所内に移動されます。

スイッチャーに牽引されるタキ2両

タキの後部には、作業員さんが乗っています。

推進運転で安中製錬所内にタキ2両を運ぶスイッチャー

スイッチャーは、ポイント切り替え後、推進運転で安中製錬所内にタキ2両を運びます。結構な急勾配を登っていきます。

推進運転で安中製錬所内にタキ2両を運ぶスイッチャー

「亜鉛焼鉱」を輸送するタキ

機回し後、貨車と少し離れた位置で待機するEH500

機回しされ、群馬八幡寄りに移動したEH500は転線し、返空のタキとは少し離れた位置で停止します。機関士さんは休憩をとります。入れ換えは終了となります。

夜の帳が下りて・・・

貨車と少し離れた位置で待機するEH500

日没時刻となり、夜の帳が下りました。

連結に異常がないか確認している作業員さん

上り「安中貨物」(返空・5098レ)のタキに異常がないか、作業員さんが点検しています。

前照灯を点灯させ、タキに接近するEH500

19:20頃、タキと少し離れた位置で待機していたEH500が前照灯を点灯させ、タキに接近し、連結します。

組成された上り「安中貨物」(返空)

連結後、返空の出発まで40分近く待機します。

20:04 安中駅を出発する、上り「安中貨物」(返空・5098レ)

20:04、上り「安中貨物」(返空・5098レ)は、安中駅を出発します。タキは貨車なので、電車と違って照明を備えていないため、かなり暗く見えます。

静寂が戻った夜の安中駅

上り「安中貨物」(返空・5098レ)が走り去った後、安中駅は再び静かになります。

レストランガイド

「安中貨物」は、日によって編成の長さに大きな差があり、入れ換え作業時間は短かったり長かったりします。私は、EH500が返空の貨車に連結された後、夕食を摂ることをお勧めします。

安中駅にはコンビニエンスストアはないので、駅前を直進して、国道18号線の旧道に出て、マクドナルドなどの飲食店で空腹を満たすことが多いです。「マクドナルド 18号安中店」なら、安中駅から徒歩2分です。

安中駅ホームからは、興味深い貨車の入れ換え作業を安全に見学できます。読者の皆さんにお勧めします。

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