大石知事公約 85事業費25億円 長崎県補正予算案提出へ

本年度県一般会計補正予算案の主な新規・拡充事業

 長崎県は30日、大石賢吾知事の公約を反映した85の新規・拡充事業費25億3千万円を盛り込んだ総額627億円の本年度一般会計補正予算案を発表した。補正後の予算総額は7510億円(前年度当初予算比0.3%増)。6日開会の6月定例県議会に提出する。
 骨格予算だった当初予算に、政策的経費を肉付けする。▽全世代の暮らしを安全・安心で豊かにする▽チャレンジし成長し続ける▽選ばれる長崎県を県民と一緒につくる-を柱に編成した。大石知事は発表会見で「時代に合った形で、しっかりと目的を持った予算編成を意識した」と述べた。
 人口減少対策として、子育て世帯などへの住まいの供給促進のため1億1900万円を投じる。長崎、佐世保両市にある県の空き公舎2棟32世帯分を若者向けに改修して賃貸する。
 医療分野や教育分野では、情報通信技術(ICT)を積極的に活用。離島の基幹病院の医師が、県本土の専門医の遠隔サポートを受けて高度な診療ができるよう5Gネットワークを構築する。新上五島、松浦、佐世保の3市町では、小中学校の実践モデル校を指定し、人工知能(AI)ドリルなどを使った自主的な学習の充実を図る。
 国内投資が活発な半導体や医療関連分野の企業誘致に向け、水源確保の調査をする市町に費用を補助。スタートアップ(新興企業)創出へ投資家とのマッチングイベントなども開催する。
 また原油価格・物価高騰対策の予算案を6月定例会に追加提出する方向で準備を進めているという。
 財源不足分の73億2900万円は県の「貯金」に相当する財源調整3基金を取り崩して対応。当初予算と合わせた取り崩し額は173億円になる。
 補正後の公共事業費は全体で707億500万円(前年度国内示後比3.1%減)。一定の整備が進んだ新幹線事業を除けば、674億7700万円(同8.7%増)を確保した。


© 株式会社長崎新聞社